旬に関連した俳句の例をまとめました。
旬を含む俳句例
夏祭旬の男と女かな/松林尚志
稲の花嵐の旬も早や過ぎし/白雄
船音に目覚む釣宿鱚の旬/川崎克
山冷のどんぞこ薬喰の旬/藤田美乗
山妻と旬の秋刀を二等分/高澤良一
露きらきらと川の旬永し/友岡子郷
茸の旬をはりし山の霧の粒/上村占
森番の眇がぬるる雛の旬/宮坂静生
空あをくに旬あり蓼の花/八田木枯
昼飯は河岸と決む鯖の旬/澤田誠一
妻と吾と旬の秋刀を二等分/高澤良一
鰯雲鰯いよいよ旬に入る/鈴木真砂女
貧厨といふ勿れ今さんま旬/川田長邦
走りより旬を好みて豆の飯/松尾緑富
虚子賞でし城下鰈いまが旬/佐藤裸人
落日を城の旬とす雪解川/鳥居おさむ
苗代風吹いて鰈の旬となる/二宮美代
九頭竜の水も豊かに鱒の旬/小林孤舟
花冷や朝市に買ふ旬のもの/伊東宏晃
今がその海胆の旬てふ島暮し/川崎克
俳句例:21句目~
旬なれば鰆もてなす七年忌/大澤茂樹
今牡蠣の旬てふ言葉広島に/稲畑汀子
初鰹恋にも旬のあるような/高木一惠
松山の鱸の旬に来たりけり/長谷川櫂
風が吹く海鼠に旬の到りけり/岸本尚毅
風吹いて海鼠に旬の到りけり/岸木尚毅
これやこの旬のさんまも冷凍/石塚友二
鮟鱇がそろそろ旬の夜風かな/鈴木鷹夫
鯖の旬即ちこれを食ひにけり/高濱虚子
人類の旬の土偶のおっぱいよ/池田澄子
今が旬獲れたるいさざ粒ぞろひ/森田峠
口先に紅さす旬のさより買ふ/高間礼子
堪能す旬の味覚を秋刀にて/浦本しげこ
忘れゐし三鬼の髭や牡蠣の旬/佐藤鬼房
旬なりし千枚漬の凍みとおり/竹内善昭
旬のものとて栗飯も二度三度/谷口君子
灯台の白のしたしき牡蠣の旬/友岡子郷
秋鯖の旬の曽々木に宿をとる/清水寥人
蚕豆の旬を忌日に母亡くす/鳥居美智子
蝦蛄が旬小樽の海の静かなる/大井雅人
俳句例:41句目~
えつ漁の短き旬を夜と言はず/中原白楊郎
これよりの玄海荒れて河豚の旬/是木二楽
たかんなの旬の力を掘りおこす/小島花枝
玄海のあらの旬なりちやんこ鍋/高平春虹
由比産の旬の白子がなおらひに/高澤良一
旬も旬旬の酢牡蠣に若くはなし/高澤良一
土佐沖の毒無し河豚も旬といふ/川田長邦
竹皮を脱ぐやこどもはいつも旬/辻美奈子
羽子板に天魔波旬をゑがくべし/後藤夜半
五湖すべてわかさぎ釣の旬となる/森田峠
めぐり来し鰹の旬や真砂女亡し/原田青児
ぶつかきの氷にもある旬の味/本庄登志彦
旬といふ黒鯛に地酒の酔早く/小浦登利子
新聞はいちにち遅れ馬刀の旬/服部百合子
近海もの今は不鯛とさざゑが旬/高澤良一
酸橘得しされど秋刀は旬ならず/高澤良一
帰り来よ鰹も旬の土佐なれば/片岡北窓子
湯通しのすなはち鱧の旬なりし/稲畑汀子
旬の手を振りあふ都バス運転手/攝津幸彦
いかなごの旬いかなごを波止に踏む/森田峠
俳句例:61句目~
白ぎくや三旬の家居をしからず/日夏耿之介
山葵の旬水入れ替はり立ち替はり/高澤良一
今が旬牡蛎剥く女でんと尻を据え/渥美ふみ
レタス前線信濃ちらほら甲斐が旬/野宮猛夫
てつちりの旬がそろそろ博多町/成瀬正とし
とぼけたる貌のうまづらはぎの旬/高澤良一
たかんなの由旬の丈を恐れけり/佐々木六戈
アスファルトかがやき鯖の旬が来る/岸本尚毅
酌み初めはきのふのごとし冷酒の旬/高澤良一
柚子散らし酢牡蠣ほたほた旬のもの/高澤良一
たれかれのなつかしきそらまめの旬/正木ゆう子