夜目に関連した俳句の例をまとめました。
夜目を含む俳句例
殉教の孤島夜目にも紅桜/原裕
束帯の夜目にも白き夏越舟/寿代
雛市の夜目遠目なり懸行燈/鳥舟
卯の花を夜目のあなたや初松/澄雄
川狩や夜目にもそれと長刀/炭太祇
夜目に湧く雲の白さや蕗畑/上村占
蓬莱や夜目に立ちたる波頭/原雅子
川刈りや夜目にもそれと長刀/太祇
蟋蟀や陰山山脈夜目に立つ/加藤秋邨
川狩りや夜目にもそれと長刀/炭太祇
夜目にたつ淀の川波風は秋/丸山哲郎
高波の夜目にも見ゆる心太/川崎展宏
干梅の匂ひて夜目の白怒濤/伊藤京子
切干の夜目にも白く浦貧し/鈴木泊舟
波音や夜目に仰ぎて寒ざくら/及川貞
洛北や夜目にも白き雲の峰/岩田由美
滝白し夜目にも丈を失はず/保坂伸秋
夜目青き蕗の裏戸を出漁す/中村汀女
白菜と夜目に運びて年用意/中村汀女
去る家や夜目の噴井に花浮いて/及川貞
俳句例:21句目～
寒牡丹灯りし夜目の傘の内/佐野志摩人
夜目に白き畦の石灰海鳴りおり/飴山實
稲舟と夜目にも分り漕ぎ来る/星野立子
沖縄忌夜目にくつきり珊瑚礁/皆川盤水
節分の夜目に木の橋校舎うら/戸川克巳
菜の花の夜目に白さや摩耶詣/飯田蛇笏
旅枕夜目にも茅花流しかな/沼尻巳津子
螢火や夜目にも渦の雲出川/鷲谷七菜子
管絃祭夜目にも白き子鹿の斑/田村一翠
馬肥えぬ夜目にも漆光りして/佐藤念腹
夜目にさへ焦土の広さ星流る/下村ひろし
激つ瀬の夜目にも白し青葉木菟/福田蓼汀
夜目遠目みめよしあしの風の盆/福田蓼汀
夜目遠目雪女郎とはそれっきり/池山きぬ
椎の花夜目にもをとこ盛りかな/行方克巳
無花果も夜目に瞭らか諾一語/千代田葛彦
黄落の夜目にもしるき一樹かな/村山古郷
火の山の夜目にうすうす籾殻焼/太田土男
墓の字の刃てふを夜目義士祭/八木林之助
常夜燈夜目にもしるく若葉しぬ/鈴木花蓑
俳句例:41句目～
激つ瀬は夜目にも白き新樹かな/茂里正治
浦島草夜目にも竿を延ばしたる/草間時彦
夜目に燃え商館の内撃たれたり/三橋敏雄
草刈つて疵だらけの手夜目醒む/津田清子
訃のしらせうけて夜目利く夏の川/渋谷道
鏡太郎忌夜目に紫陽花白呆け/成瀬桜桃子
散る花の夜目にも海へ急ぐなり/朝倉和江
れんげうや夜目に拾へる妹がみち/石川桂郎
納涼船夜目にもしるき水尾曳きて/薮脇晴美
ハドソンの氷解けをり夜目ながら/山本歩禅
喪の家の夜目にもしるく梅白し/成瀬正とし
夜目しるき城の威たしか柳散る/小川濤美子
蝦夷塚の夜目にも光る時雨かな/深見けん二
夜目にも黝し湖の向ふの雪崩跡/加藤知世子
早春や夜目にあかるき田の乾き/金尾梅の門
梟鳴き夜目に大きくなりし杜/長谷川かな女
仏法僧白きたぎちを夜目に越ゆ/加藤かけい
ぬばたまの夜目にも峡の斑雪かな/村山古郷
雪山を夜目にポールをまはすなり/中村汀女
めはじきの道火の山のすさむ夜目/宮崎二健
俳句例:61句目～
法然忌夜目利くごとし榧の木も/河原枇杷男
狐鳴く夜目にともし寝るあれこれよ/村越化石
大根懸けあるとは夜目に家に着く/石井とし夫
榛の花夜目にも垂れて寒ンぬくき/金尾梅の門
かたまつて夜目にも白き捨蚕かな/山家なか子
医にかよふかなしさ蘆は夜目に伸ぶ/森川暁水
乾草匂う夜目にも愛の自転車立て/鈴木六林男
酔の尾の仄かに炎えぬ夜目の柚子/千代田葛彦
夜目の青柿眼も歯もだいじに使はねば/磯貝碧蹄館
