驢馬に関連した俳句の例をまとめました。
驢馬を含む俳句例
椿散る男爵と驢馬達の不眠/仁平勝
棉車驢馬を気儘に歩かする/太田土男
驢馬嘶く灯に漂ひて棗の実/小池文子
驢馬今も寒の塩負ひ川渡る/有馬朗人
長城へ眉研ぐ冷気驢馬眠り/小倉緑村
麗かや花婿乗せて驢馬傾ぐ/原田青児
逃水や驢馬にて運ぶ壺の水/澤田緑生
驢馬の鈴過ぎたる風の秋桜/山田弘子
驢馬曳いて日焼童女が河渡る/佐川広治
霾の地に鳴れど驢馬臼挽ける/西村公鳳
静かなる驢馬に重き荷冬落暉/都筑智子
穴ぐらの驢馬と女に日ぽつん/片山桃史
はつ夏は何色驢馬の耳のいろ/藤原寿美
シャンゼリゼ驢馬鈴沈む花曇/横光利一
花杏小さき驢馬をつなぎたし/内藤吐天
雪かゝる聖樹の憲に驢馬の鈴/飯田蛇笏
初霜や粉な屋の驢馬の耳機嫌/中川四明
長城を越えて蒙古へ驢馬の秋/原田青児
天山をくぐり来し水驢馬冷す/西上禎子
更待月驢馬なきかはす家群に/小池文子
俳句例:21句目~
冬耕す驢馬を石馬につなぎとめ/日原傳
豆腐屋に驢馬の仔生れ忙しき/田村了咲
蜀に入る冬野の道や驢馬の糞/羅蘇山人
驢馬の眼に反月滲む余寒かな/今井竜蝦
泉の辺驢馬を荷車より離す/山崎ひさを
驢馬を打つ少年無口葡萄の荷/岡崎万寿
いぬふぐり昔は驢馬のパン屋来て/角長子
霧に汲み水甕驢馬にふりわくる/小池文子
死の夏天驢馬に愚かな縞ありぬ/片山桃史
秋の夢驢馬が持てくる日向かな/中川宋淵
霾歇むと驢馬又粉を碾きはじむ/柳村来雨
小春日や驢馬が舂いたる米の味/中川宋淵
驢馬ちぎる垣の葡萄や砂塵立つ/小池文子
驢馬に乗り口アブー奏づ秋の風/田中英子
刈草の山驢馬の背に子まで乗せ/加藤耕子
水汲みに驢馬引き入るる秋の川/太田土男
永き日や驢馬を追ひ行く鞭の影/正岡子規
老人の驢馬引の背に汗のしみ/田川飛旅子
驢馬啼いてやがて貌見ゆ橋の霧/西村公鳳
葉柳の水の日ぐれを驢馬追へる/臼田亞浪
俳句例:41句目~
枯野馬車驢馬は頭を垂れて曳く/高濱年尾
流木に驢馬つなぎ住む穂草かな/小池文子
驢馬やさし少年はいつ島を出る/八木三日女
手折りたる山萩に驢馬鞭うてる/鈴鹿野風呂
父の日のどんよりとあるロバの耳/柿本多映
乾陵へ驢馬と別るる柳絮さかな/山田みづえ
芹買へり市場の驢馬に見られつつ/小池文子
ざくろ村夕ベの驢馬はむち打たず/中村明子
ねぎらへば炎暑の驢馬の耳動く/小田中柑子
黍の荷と動きゆくもの驢馬の耳/加藤知世子
木下闇伏し目のロバがいるばかり/服部一彦
著ぶくれて黒衣の農婦ロバでゆく/高木晴子
驢馬の耳ひたひた動く生きて灼けて/加藤秋邨
かげろふや市場の驢馬はパンを食ふ/小池文子
驢馬を打つ鞭のひびけり胡沙ぐもり/毛塚静枝
驢馬/騾馬の没り日をいそぐ棉車/つじ加代子
霧の香やしとしとと驢馬ゆきかよふ/小池文子
男根の意識たちまち驢馬啼き狂ひ/富澤赤黄男
木蓮の陽に酔い驢馬のような旅路/吉田透思朗
鈴の音は驢馬の曳く馬車サルビヤ緋/竹尾夜畔
俳句例:61句目~
文化の日児の掌に驢馬のパン歪み/佐野まもる
驢馬の市つちふるまゝに立ちにけり/三篠羽村
多毛の廃兵遠くで激しくつまづく驢馬/赤尾兜子
人よれば驢馬うれしがる冬日かな/阿部みどり女
かげろふとなりたき驢馬の沙上かな/小檜山繁子
糸杉のこころは驢馬のむこうがわ/津のだとも子
流木に吹き出でし塩を舐めている真昼浜辺の一匹の驢馬/三井修