個室に関連した俳句の例をまとめました。
個室を含む俳句例
冷やけし孤り重症個室の灯/岸田稚
刈田とう個室に銃声が届く/安西篤
覚めて夜冬の個室に柱なき/岡本眸
愛車とは小さな個室初時雨/岡田順子
春雷や夫を封ずる病個室/石田あき子
目貼され足音一つ来る個室/村越化石
四月尽個室もつとも白きとき/飯田龍太
小児科の個室に置かれ金病む/前山松花
松過ぎて個室の孤独始まれり/朝倉和江
移り来し個室枯野を前にする/宗田安正
雪の個室少年木椅子傷つけて/大井雅人
雪野へと続く個室に父は臥す/櫂未知子
音もなく紅き蟹棲む女医個室/藤田湘子
おほかたは個室灯さず十三夜/古賀まり子
個々の牡蠣眠るは縮む外科個室/赤尾兜子
個室憂し火取虫さへ恋ほしきに/石川桂郎
目貼してありし個室に移りけり/朝倉和江
雪ぼたる個室に病めば覗かるる/鈴木榧夫
ヒマラヤ杉に冬棲みならぶ個室錠/松村蒼石
かりん一顆置けば傾ぎて個室なり/沼尻巳津子