湯気立てに関連した俳句の例をまとめました。
湯気立てを含む俳句例
堂押の湯気立昇る太柱/関千年雄
湯気立てて男無言の轆轤の座/森えみ
湯気立てて韓愈流謫の地の粽/日原傳
大寒の湯気立つ朝の配膳車/木下蘇陽
大釜の湯気立ち上る栗の花/子規句集
湯気白く立つ冷房の理髪室/内藤吐天
どやどやや若き塊湯気立てる/芦原昌子
初刷に厨のものは湯気立つる/中村汀女
大服の湯気立ちのぼる空也像/鈴木鷹夫
白き骨湯気立て宿の料理かな/如月真菜
立待や煮炊の湯気につつまれし/井上雪
餅搗を終へし臼より湯気立てり/辻桃子
うづたかき馬糞湯気立つ朝の力/西東三鬼
湯気立の湯気の腰折れ見舞客/副島いみ子
湯気立てることも忘れず看取妻/鈴木蘆洲
楡のかげ少女も湯気をまとい立つ/三谷昭
湯気立ての大薬缶嘴ありにけり/井沢正江
湯気立てて柱時計のくもりたる/高浜虚子
水撒きて湯気を立たせて堂押祭/井口光雄
堆肥舎に湯気立つ晨一茶の忌/岡野よしを
俳句例:21句目~
湯気立てて大勢とゐるやうに居り/岡本眸
湯気立てて今宵は母と話すなり/荻野暁江
湯気立ててそこに松あり梅も見ゆ/上村占
大鍋に湯気立てて夜話始まりぬ/原子公平
夫先きに寝ねて湯気立つ無為暫し/及川貞
夫張りし床肌湯拭き湯気立つよ/香西照雄
湯気立ちて遠く押しくる配膳車/石川桂郎
寒肥の湯気を立てたり鶏日和/大木あまり
悼むとは湯気立てて松見ることか/上村占
枝に刺す繭玉のまだ湯気立てて/浅見さよ
牛鍋は湯気立て父子いさかへる/湯浅藤袴
羨しとも湯気立て若きラガー泣く/稲岡長
身に入むや湯気立つ牧の治療棟/佐伯星子
湯気立ててこころ怠りをりしかな/山口英二
湯気立てて山に稲荷の鳥居かな/波多野爽波
湯気立てて花鳥濡れたる屏風かな/橋本鶏二
湯気立てて貰ひて主は疾くに居ず/中村汀女
湯気立てゝいつもの部屋に老一人/山県光子
湯気立てゝ今宵これより吾が時間/能美優子
湯気立に遠く枯木といふものあり/下村槐太
俳句例:41句目~
ほしいまゝ湯気立たしめて独ゐむ/石田波郷
会へばみな句の友牛鍋湯気立てて/山本光坡
何ごともなくて湯気立つ誕生日/岸本マチ子
大脳やミルクの湯気の立ち込めり/松本恭子
蓮枯れて飲食の湯気すこし立つ/波多野爽波
豆飯の湯気の立つうちいただかん/高澤良一
女給笑ひ皿鳴りコーヒ湯気立てゝ/高浜虚子
湯気たてて起居忘れし如くなり/松本たかし
湯気立てゝひそかなる夜の移りゆく/清原枴童
しろがねの富士に湯気立つ寒土用/村松ひろし
湯気立つや濤の高さを玻璃越しに/鷲谷七菜子
児ら合唱干され湯気立つ臼と杵/鍵和田ゆう子
立ちし湯気消えなんとする湯気を追ひ/上野泰
湯気立ててをりたる晝が過ぎにけり/橋本鶏二
一人夜の更けゆくまゝに湯気立てゝ/松尾緑富
大やかん湯気立ててゐる山の茶屋/山根きぬえ
マンホール湯気立つは貴種流離かな/五島高資
ふっと立つすずしろ粥の湯気あがり/斎藤夏風
雑炊の湯気吹きこころ岐路に立つ/稲垣きくの
夜露寒湯気立つものを食べしあと/百合山羽公
俳句例:61句目~
どやどやの湯気たて若さぶつけ合ふ/荻野信子
紙を漉く手風呂は湯気を立てゝをり/高橋春灯
湯気立ちつ舞ひつ産後の髪撫でやる/中村草田男
湯気立てゝ故人を待てるごとくなり/五十嵐播水
湯気立てて故人を待てるごとくなり/五十嵐播水
もうもうと湯気立て蒸籠の朝ばたらき/高澤良一