手鏡に関連した俳句の例をまとめました。
手鏡を含む俳句例
手鏡のやうな小港春燈/川崎展宏
病床の手鏡笹子生写し/川端茅舎
白靴や手鏡を出す峠口/増子/京
薄氷や手鏡ほどの犬の水/中尾/香
佐保姫の手鏡ほどの潦/西脇はま子
手鏡の光を飛ばし初化粧/小路紫峡
和装冷し手鏡に谷映さんと/竹中宏
老鴬や手鏡に入る裏浅間/松本澄江
紙漉の手鏡己れのみ映す/津田清子
頬白や手鏡ほどの水溜り/杉浦恵子
熱気球来る鏡の中の手鏡に/須藤徹
浜小屋に残る手鏡磯開き/畑中次郎
手鏡の中の蛍は母のもの/坊城俊樹
手鏡をはみ出て風の秋桜/澤村昭代
手鏡は年経る遺愛初かゞみ/及川貞
手鏡の蛇千年の多毛かな/久保純夫
手鏡に声渡る鳥日にいくたび/白雨
手鏡の背中恐ろし夏の恋/対馬康子
手鏡を伏せたる前の春の谿/友岡子郷
手鏡を伏せて顔消す春寒き/山田諒子
俳句例:21句目~
手鏡を汚してしまふ泉かな/櫂未知子
朝顔や手鏡持たぬこと久し/対馬康子
息かけて覚ます手鏡天の川/角川照子
病む母の手鏡に見る初御空/棚橋弘子
手鏡にうつらぬものに夏霞/鈴木太郎
手鏡にうつるピアノや天の川/皆吉司
手鏡にぐらりと藪や仏生会/鈴木鷹夫
病床の手鏡冬陽たくはへて/柴田奈美
手鏡にもの言ふ女鳰のこゑ/鈴木鷹夫
手鏡にわが家を結ぶ雪の畦/石川桂郎
手鏡や二月は墓の粧ひ初む/石田波郷
行く春や手鏡ほどの忘れ潮/大畑峰子
春昼の墓こゑもなし手鏡に/石田波郷
手鏡に歩き出したる傀儡師/宮崎重作
手鏡の中を妻来る春の雪/野見山朱鳥
手鏡に夕月がふと涼しけれ/日野草城
手鏡の指紋浮きでて雪ふらす/桂信子
手鏡の顔とめどなく夏の雨/鳴戸奈菜
手鏡の顔のうするる盆ゆふべ/永島靖子
手鏡に冬めく己が髪かたち/柴田白葉女
俳句例:41句目~
手鏡にありとしもなき春の塵/京極杜藻
手鏡に引き寄せて濃き桜かな/嶋崎茂子
手鏡のくもりぬぐへば蝶の天/田中菅子
波青くふくれ来たりぬ手鏡に/岸風三楼
手鏡に紅梅うつる日南かな/久保より江
手鏡も笠のうちなる遍路かな/野村泊月
手鏡のかたちに溶けて鴨の水/川崎展宏
紅梅やすさまじき老手鏡に/田川飛旅子
手鏡に死角のありて冬の蜘蛛/村上高悦
手鏡や夢のつづきは波に雪/河原枇杷男
手鏡にあふれんばかり夏のかげ/日野草城
手鏡のまず秋の灯をとらへけり/岡田史乃
手鏡を冬陽の中にさゝへ持つ/柴田白葉女
手鏡を床にかくして風邪の妻/山口波津女
手鏡の中の枯野を見てをりぬ/穂坂日出子
手鏡のかげりはつかに忘れ雪/三田きえ子
手鏡のちりうち払ふ浴衣かな/久保より江
手鏡に秋風摶つて逃げにけり/河野多希女
手鏡に眉雪の増えしみどりの日/澤田緑生
手鏡に息吹きかけて年惜しむ/浅井沙衣子
俳句例:61句目~
野分去る神の手鏡ほど青空/鍵和田ゆう子
手鏡のごとく賀状をうらがへす/岩淵喜代子
冬薔薇くらき手鏡伏せて置く/鍵和田ゆう子
山あぢさゐ手鏡に風あふれしめ/田中とし子
手鏡にほほゑんでゐたり冬の午後/谷口桂子
手鏡のむらさき濃ゆく時雨けり/富沢赤黄男
紫陽花に手鏡おもく病むと知れよ/中尾白雨
置けばすぐ春の手鏡さびしがり/仲田美智子
橡の花伸ばしきつたる手鏡に/石野兌「初蜩」
ゆく年の手鏡ひとつをとこの部屋/榎本冬一郎
ほほえみが足りません/手鏡ふいている/春香まさみ