初老に関連した俳句の例をまとめました。
初老を含む俳句例
日の光初老の坂に春迅し/滝井孝作
冬雲のはなやぎに充つ初老びと/原裕
冬麗の砂零しては初老の手/高澤良一
水仙に鉄の匂の初老かな/殿村菟絲子
謠初老いにけらしな人の聲/正岡子規
云ふならば初老夫婦の夕涼み/高澤良一
兄弟の似てくる初老茶立虫/落合美佐子
初老とは四十のをんな浮寝鳥/黒田杏子
初老とは欅黄葉を潜るに似て/高澤良一
戦さ知らぬ人が初老の終戦日/今村映水
初老とは木陰に涼むやうなもの/高澤良一
初老なり春の枯木が墓地透かす/石塚友二
天に黄の枇杷や初老の阿弥陀仏/古舘曹人
水雲酢の絡みあひしも初老かな/鈴木康久
菊つくり得たれば人の初老かな/幸田露伴
浄瑠璃に初老の恋や切山椒/七田谷まりうす
秋茄子や初老といふは水に似て/鍵和田釉子
鍋にアルミの蓋をする愚直な初老/山本芒原
カビ餅あわれ初老の愛をたしかめあう/瀬戸青天城