アイヌに関連した俳句の例をまとめました。
アイヌを含む俳句例
花槐アイヌが妻の土産店/石塚友二
鳥兜日高アイヌは点在す/嶋田一歩
焼酎の愛名をアイヌ殺しとも/菅裸馬
笹葺きのアイヌ館や天高し/仁科歌子
骨の鮭アイヌ三人水わたる/金子兜太
蘆茂り岬に遺るアイヌ砦/太田ミノル
秋風や科の皮干すアイヌ村/榎本文代
山尖る老鴬アイヌ部落より/古舘曹人
杜若片仮名ゆがむアイヌ墓/西本一都
光りつつアイヌに届く夏川ぞ/細谷源二
船捲く裸アイヌに童子と山羊/石原八束
寒雲や吾が顎髭はアイヌ系/磯貝碧蹄館
文字のなきアイヌの墓や烏頭/広中白骨
早乙女も頬被してアイヌめき/野村泊月
老アイヌ夏経し厚司うすぎれたり/林翔
熊祭アイヌの笛が星降らす/松本しげる
熊祭アイヌ純血絶えにけり/竹中碧水史
秋暑くアイヌに咲きぬ花南瓜/石原舟月
アイヌ小屋丸太の梁に鮭燻し/榎/美幸
秋風やアイヌ墓標の聳り切り/石原八束
俳句例:21句目~
花人のながれの中の老アイヌ/秋吉花守
アイヌ語を習ひに通ふ橇の鈴/檜野飄歩
アイヌ館涼し丸太を刳りし舟/荒川優子
草市のアイヌ見かけぬ月明下/石原舟月
蓴採るアイヌ乙女の唄ひつつ/鈴木寿恵
野分に出て少女がしかむアイヌ眉/林翔
鬼灯の日々に彩づくアイヌ村/伊東礼子
暮情とよアイヌが流す一矢の燈/細谷源二
柳葉漁るアイヌ舟歌雪がふる/野見山朱鳥
凍る野に栄えて紅きアイヌの火/細谷源二
野火走るアイヌ集落ありし地を/三輪初子
虫干しのアイヌ衣裳や湖の風/佐藤砂地夫
アイヌかなし秋の暮色を茣蓙に織り/林翔
秋の湖渡りアイヌと別れけり/池内友次郎
大蕗の茂るこの地もアイヌの名/西村梛子
秋草のもの哀しさもアイヌ墓地/高木晴子
氷柱太しアイヌ民芸ひさぐ店/古賀まり子
杭に似るアイヌの墓標草の花/新明セツ子
夏炉守る榾木を太くアイヌ村/近藤久美子
沓軋り現れしアイヌと氷下釣る/西東三鬼
俳句例:41句目~
五倍子のひそとアイヌの記念館/岡本正敏
眸くらきアイヌに黍の日雨ふる/石原舟月
鮠散つてアイヌの裔を呼び戻す/松澤雅世
アイヌ一族焚火をあげて嫁まてる/細谷源二
アイヌ等が焼く蓬生の火ぞ濃しや/細谷源二
アイヌ絶えんかニペッシ晒す水澄みて/林翔
あす晴るるための地吹雪アイヌ村/宮坂静生
昆布採の旗立つアイヌ城址かな/鈴木洋々子
熊を彫るアイヌ膝覆ふ赤ケット/松橋与志彦
蓼咲きぬアイヌ老婆に甕売りに/加倉井秋を
ビール壜砕かれありアイヌ酔泣きしか/林翔
毒の花ぶし咲きアイヌ老いゆくも/大島民郎
じやがいもの花の泡立ちアイヌ村/熊谷愛子
アイヌの地湖いくつ澄みて荒れて/矢島渚男
水芭蕉に黒き珠置くアイヌの眸/長谷川かな女
厚司著て世にのこされしアイヌかな/小島海王
誰も踊らぬ草笛吹いてアイヌ墓地/加倉井秋を
アイヌは山へわれ等は秋の湖渡る/池内友次郎
初鮭を部下のアイヌの兵士より/阿部みどり女
えぞにうの野をよぎり訪ふアイヌ村/野村泊月
俳句例:61句目~
ウルルル秋が深まるアイヌ子守唄/諸角せつ子
とりかぶと色濃くここはアイヌの地/山口梅太郎
ポロト湖のアイヌのチセに雪しまく/大内マキ子
蝶それぞれ家紋負ひ来ぬアイヌ墓地/平井さち子
とりかぶとアイヌねぎなど萌えにけり/鈴木洋々子
科の木の科はアイヌ語夏木立/岡部義男「臥竜が丘」