山道/山径に関連した俳句の例をまとめました。
山道/山径を含む俳句例
山道も吾妻郡葛の花/清崎敏郎
青梅ふた粒づつ山道/北原白秋
山道の墓と人栖む籾莚/石原舟月
爆薬庫に山径果てつ竹煮草/林翔
山道や落葉溜に寒葵/吉田八重子
紅萩や死んで山道九十九折/渋谷道
提灯で花の山道下りける/松瀬青々
山道に並ぶ地蔵や露涼し/金子幽霧
山道を水流れゐる野菊かな/中田剛
山道や糞落し行く馬涼し/野村喜舟
山道に麥丘人や秋の風/今井杏太郎
姥捨の山みち険し華鬘草/高木良多
山道や葛のうら葉に青嵐/寺田寅彦
山道や椿ころけて草の中/正岡子規
山道の腐れ木株に木の葉蝶/高澤良一
山道を挟めて萩の乱れ咲き/高橋よし
山道や出羽に見下す雲の峯/正岡子規
山道を直す百日焚火して/大木あまり
後山道ゆく手明くて雪見月/飯田蛇笏
新緑の山径をゆく死の報せ/飯田龍太
俳句例:21句目～
たれも通らぬ山道の注連飾/広瀬町子
厩出しの山道蹄あとに荒れ/皆吉爽雨
大凍に衆山径を交はしけり/前田普羅
大石の山道ふさぐ野分かな/正岡子規
木天蓼の花や山道湿りたる/射水綾子
寒施行山道声のおりてくる/井上道子
石上布留の山みち野菊濃し/下村梅子
炉を塞ぐ丹波山道の崖住まひ/堀古蝶
雨降れば渓音はやみ後山道/飯田蛇笏
山道に毛虫の落ちて忙しき/高澤良一
山道や人去て雉あらはるゝ/正岡子規
山道の掃いてありたる初詣/富安風生
探梅や宇津の山道踏みもして/矢島渚男
山径を降らるるままに新樹雨/高澤良一
波音の消えて山みち出開帳/大峯あきら
きさらぎの山道見ゆる書道塾/広瀬直人
山径の礫あたらしき出水あと/田原央子
山道や足もとに雉子野に雲雀/正岡子規
嫁菜咲きここ山道の待避箇所/高澤良一
麦の穂に山径たよりなく細る/飯田龍太
俳句例:41句目～
山道のここにどっこい蝮蛇草/高澤良一
霧ひらく山径にして蔓もどき/臼田亜浪
お涅槃の山道ながくながくあり/岸本尚毅
しぐるゝや山道深く石だゝみ/楠目橙黄子
山みちを滑りて蛭に囲まるる/今井杏太郎
山道に扇をつかふことありぬ/今井杏太郎
山道や不義理つづきの十二月/福田甲子雄
山道を行き行き永日かへりみる/村越化石
山道となりて灯が混む地蔵盆/中川須美子
山道のゆき止まりなる虚子忌かな/岬雪夫
山道のいづれを来しも富士桜/勝俣のぼる
椀持ちてゆく山道とだえ春の霧/赤尾兜子
油瀝青咲いて山道あたたかし/鈴木しげを
遅田植見かけこれより峨山道/逢坂月央子
まくなぎや山道つひにどんづまる/松澤昭
うららかや行く山径を疑はず/楠目橙黄子
山道をゆきつもどりつあきつかな/室生犀星
山みちを紅炉へもどる虚子忌かな/宇佐美目
彼らの話山道の人らにてすぎし/栗林一石路
温泉山みち凝る雲みえて躑躅咲く/飯田蛇笏
俳句例:61句目～
山径の明るきに入りゐのこづち/猪股千代子
行けどゆけど吉備の山みち花煙草/松尾いはほ
柿を剥く山道たどるごとく剥く/きくちつねこ
山がら小がら山みち小みち水神へ詣る/荻原井泉水
山道の案内顔や虻がとぶ/一茶/文政三年庚辰
温泉山みち賤のゆき来の夏深し/飯田蛇笏「山廬集」
これはやまみちやまざくらいろへ向かう山みち/阿部完市
葛の花/踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり/釈迢空
