都市に関連した俳句の例をまとめました。
都市を含む俳句例
鉄板の下は空洞零下の都市/三谷昭
薄氷の下真暗な都市がある/今井聖
冴返る万の足痕過密都市/寺井谷子
立冬や白骨都市の観覧車/和田悟朗
冬霞都市の輪郭和げる/稲畑廣太郎
冬耕のその双肩の上の都市/辻井夏生
冴え返る万の足痕過密都市/寺井谷子
金属の記憶に遠い過密都市/田中信克
直線と球の新都市冬木の芽/小島幸子
夾竹桃火花の如し過密都市/山本歩禅
繭やぶる虫の白昼博物都市/伊丹公子
室蘭は丘陵の都市青葉燃え/高浜年尾
追羽子の硬き音のみ沿線都市/藤井亘
逆光の飛行船浮く流感都市/横山房子
鴨翔んで黒人多き湖畔都市/北野民夫
六月の声押し殺す過密都市/山田一男
擾乱鎮圧後の都市の皮下出血/江里昭彦
春の草都市の地面にしがみつく/藤田健
紙面一葉忌と海上都市のこと/須川洋子
蝙蝠や川の向ふに過密都市/西牧トキ子
俳句例:21句目~
ハツカーの浮遊の指紋不眠都市/森洋彦
飢ゆる都市雪空動くゆるやかに/三谷昭
昨夜や雨都市周辺に春の雲/松崎鉄之介
霧の都市葱を束ねし藁をとく/森田智子
渇水都市凧澄明な腸をたらす/桜井博道
会い別る占領都市の夜の霰/鈴木六林男
万歳の顔に紐垂る煙霧都市/小川双々子
緑なす都市や獣の匂ひせる/長谷川照子
河終る工場都市にひかりなく/高屋窓秋
過密都市秋の居場所が定まらず/佐藤賢
影しるき鳩寄る海上都市の春/花谷和子
熱風傾斜し疾走バイク群都市/伊丹公子
漏水の堤防めぐらし早婚都市/和田悟朗
その下に古代都市ある枯野かな/武田知子
びっしりと異神の海峡都市夜涼/伊丹公子
びっしりと異神の赤道都市夜涼/伊丹公子
非核宣言都市へ襖をひらきたる/大石雄鬼
機翼灼け眼下に都市をあざけるか/皆吉司
二月暖雁鳴き渡る無防備都市/坂本ひろし
塔に神棲む多国籍都市の炒め鍋/伊丹公子
俳句例:41句目~
穢土浄土月の砂漠の賭博都市/保田白帆子
郁子の花山上に都市延びてゆく/篠田悦子
造花の紗にいま鋏入れ都市の裏/伊丹公子
秋うらら時の止まりし都市の跡/本多一基
石炭を欲りつゝ都市の年歩む/竹下しづの女
花ふぶき畝に鋤きこみ都市農夫/平井さち子
春遅々と噴水に透く過密都市/野見山ひふみ
春闘のデモ足早やに小さい都市/稲岡巳一郎
扇状都市の朝のおくゆき閑古鳥/平井さち子
家庭の灯だけでは都市の夜暗し/林田紀音夫
都市の麦黄なるは寂し家なしに/林田紀音夫
都市暮しやどかりほどの音たてて/中西夕紀
沙羅の花都市は僅かに傾ぎつつ/四方万里子
木の葉降るや都市の煤煙遥かなり/野村喜舟
婚礼車のリボンぷるぷる南洋都市/伊丹公子
風蝕の都市女らがぞくぞく生え/林田紀音夫
鍵穴殖え六月の都市きらきらす/櫛原希伊子
ダックの晩餐華僑に夕映え大陸都市/伊丹公子
汽罐焚いて都市を出でゆく十三夜/文挟夫佐恵
ヘリコプターの顔で近づく渇水都市/杉本雷造
俳句例:61句目~
硝子のなかの微笑あまたの都市夕景/伊丹公子
飢えつつも知識の都市を離れられず/藤木清子
都市の灯に山火事の呪詛濃く加わる/林田紀音夫
予告密集都市の何処かにあじさい咲く/伊丹公子
ハンカチに透けて無防備都市赤し/中村和弘「蝋涙」
性交も飽きてしまった地球都市したたるばかり朝日がのぼる/林あまり