肉声に関連した俳句の例をまとめました。
肉声を含む俳句例
秋風に肉声徹り貧しき子/敏雄
肉声もなく盆過ぎの白磧/子郷
肉声に肉声ぶつけ油蝉/高澤良一
肉声のはるかにうるむ猫柳/穴井太
肉声の集まる炎天下の墓標/実籾繁
肉声の鴉はやさし海の雪/中島斌雄
肉声や青葦原に機械来て/熊谷愛子
かさねあふべき肉声に緑さす/中田剛
子に遺りゆく肉声や蘆花の空/上村占
母のみは肉声に呼べ油照り/斎藤空華
肉声も知らぬ位牌を並べ冬/橋本榮治
肉声を洩らしはじめた鏡餅/鈴木紀子
厚咲きの椿に肉声あるやうな/柿本多映
硯洗ひ肉声もたぬ父の文字/水鳥ますみ
うすれゆく肉声おびただしき回路/穴井太
枝豆をもぐは肉声よりさびし/小檜山繁子
とんど火の爆ぜて肉声聴くごとし/高澤良一
曼珠沙華肉声かゆくひびきけり/河野多希女