他界に関連した俳句の例をまとめました。
他界を含む俳句例
一本は他界へ傾ぐ冬欅/平松彌栄子
他界より覗く眼のあり夕桜/穴井太
荒海や他界のごとき餅の光/斎藤玄
兔穴他界の闇を見るごとし/大石悦子
沼の香の他界を見たる秋螢/河野南畦
紫陽花や既に他界の言葉吐く/斎藤玄
雪虫や俄かに君が他界せし/瀧井孝作
他界とは桜に透ける向う側/宇多喜代子
朧濃く他界の言葉吐きしかな/齋藤愼爾
睡りつつ他界を覗く嬰児かな/藤原月彦
雪の山遥か他界にあるごとし/鈴木花蓑
他界にて裾をおろせば籾ひとつ/中村苑子
他界より来てまた帰る生姜売り/藤原月彦
枯葦原他界のひかりはばからず/和田知子
藻の花を覗けば他界も暗かりき/河原枇杷男
彼岸の雀よ他界想はで他界せしは/中村草田男
しづかなる目覚め雪ふるは他界めき/小山曲江/『余韻』