築地に関連した俳句の例をまとめました。
築地を含む俳句例
京極の紅梅遅し古築地/正岡子規
柊をさすや築地の崩れまで/蝶夢
莱に隠れ築地の裡に桃太る/欣一
凩や築地の内の藪の音/野村喜舟
店二軒築地河岸花の翁/川崎展宏
青々と柳のかかる築地かな/蝶夢
五月雨や葎の中の古築地/正岡子規
石蹴れば暖冬築地本願寺/永易至文
蓬生や霜に崩るゝ古築地/正岡子規
草深き築地の雨や蛙とぶ/飯田蛇笏
築地青く薔薇紅の館かな/正岡子規
春雨の築地にむるゝ雀哉/正岡子規
御築地の雪もきえ行く新在家/史邦
東踊築地川なき侘びしさよ/瀧春一
鳩吹きて唐招提寺築地道/小坂順子
お山焼築地塀割る松が照り/藤田三郎
春うらら葵の紋の築地塀/小川濤美子
隅寺の築地がいたむ春の雨/川崎展宏
誰ためぞ築地を垂るる花桜/五車反古
水匂ふ築地界隈夏に入る/細井新三郎
俳句例:21句目～
人の背に桜折るなり築地越/正岡子規
初糶の声高らかに築地かな/西岡仁雅
迷路よとと見る芒も築地内/下村槐太
奈良なれや崩れ築地の木守柿/森好文
築地派のお講淋しや普請中/正岡子規
山梔子や築地の崩れ咲きかくし/麦水
春雨の築地にとまる鴉かな/正岡子規
築地かな百の鮑を天に向け/櫂未知子
青梅や築地くえゆく草の中/室生犀星
廃業後の築地田中家小集べに/京極杞陽
御築地に見こす山辺やいく時雨/炭太祇
春めくや築地は海の朧より/大場白水郎
杉菜生ふる掘り崩す築地なり/小澤碧童
声合す築地のうちの女鹿かな/水田正秀
松蝉や築地の辻に日影なく/横川内蔵助
母が家の築地破れし羽根日和/山本洋子
河豚供養築地の昼に我居りて/松山足羽
石手寺の築地くづれて稲の波/山口青邨
日短か茶山へのびる築地塀/藤田あけ烏
竹馬を立て掛け谷中の築地塀/脇坂啓子
俳句例:41句目～
築地崩れ男いちずに旅ひとり/和田悟朗
築地沿ひに行きて消えたり若布売/爽波
築地裂け木苺の弁大いなり/殿村菟絲子
麦蒔や出雲にたかき築地松/長谷川史郊
開山忌築地くまなく朝日かげ/伊達外秋
雨吸ひし築地にそヘる晩稲刈/下村槐太
わが影の築地にひたと居待月/星野立子
五月雨や築地をかくす八重葎/正岡子規
高稲架に築地の松に斐伊の霧/西本一都
人を踏んで桜折るなり築地越/正岡子規
奈良しづか築地々々の片かげり/巽とほる
利久忌の著莪も築地も薄ぐもり/古沢太穂
凍蝶の越えむ築地か高からぬ/相生垣瓜人
冬日消ゆ道は築地を左右となる/皆吉爽雨
薬師寺の築地添ひなる土筆摘む/田中冬二
蘇枋の実築地に沿ひて水流る/笠原のぶ子
久米寺の築地くづれの落花かな/岡本松浜
朱欒咲く築地の内も坂ならむ/殿村菟絲子
わが影を月の築地に吸はしむる/小林月史
築地行けば垣根の薔薇や冬の花/正岡子規
俳句例:61句目～
破れ築地古都のまざ～無月かな/松根東洋城
御簾越しに築地の春も逝きにけり/岸風三楼
築地塀に父祖の手ざはり夕桜/鍵和田ゆう子
春めいて築地河岸ゆく下駄の音/武原はん女
人に倦みて築地がもとの落花踏む/稲垣きくの
水打つやひらひら築地河岸歩く/長谷川かな女
築地越ししばらく春の吹雪かな/五十崎古郷句集
寺々や盆の踊に破れ築地/『定本石橋秀野句文集』
