巡礼に関連した俳句の例をまとめました。
巡礼を含む俳句例
賜はるは雪巡礼の発心へ/林昌華
巡礼の目玉釘づけ雁の道/齋藤玄
初鏡巡礼姿しかと決め/磯野充伯
雛の間が巡礼さんの休憩所/手塚金
巡礼に出る日を想う草若葉/北光星
巡礼の遠のくやうに蝸牛/高澤良一
はや何を急がす雪の巡礼者/齋藤玄
往還の巡礼ばかり葱坊主/井沢正江
山襞にあり巡礼の鈴恐し/金子皆子
八月や巡礼という旅支度/久保砂潮
初泣は木偶の巡礼歌の段/尾形柿園
初鴨に声掛け巡礼母子連れ/林昌華
巡礼や笈の衾を取り出し/尾崎迷堂
巡礼の鈴に桃畠空気揺れ/沢木欣一
大雪や能登巡礼の黒づくめ/井上雪
巡礼や緋鯉にひらく大扉/古館曹人
巡礼の老のよき顔冬の鵙/向笠和子
巡礼の親子出てくる清水哉/正岡子規
巡礼の踏み固めたる春の土/石山佇牛
巡礼を濡らす卯波や室戸岬/橋本信子
俳句例:21句目~
接待を受く巡礼も茶摘女も/池上和子
草餅や死海巡礼いたしたく/平井照敏
蝸牛ゆく巡礼のかげかたち/成田千空
夏衣生きる証しの巡礼や/岩上千枝子
霞む日や巡礼親子二人なり/夏目漱石
風待てば来る巡礼も天牛も/黒田杏子
岳雪解霧鐘巡礼なほ尽きず/菅原達也
巡礼に御詠歌起る雪の中/小川原嘘帥
巡礼に花満開の紀三井寺/山口超心鬼
巡礼の列のゆるびし花菜畑/冨田督子
巡礼の振る鈴霧に遠ざかる/岡安仁義
巡礼の正面に花すだれなす/伊藤通明
黒揚羽するどし巡礼のうしろ/伊藤淳子
巡礼の道の沿ひゆく春の川/片山由美子
蓮の実のとんで巡礼発ちし寺/馬場利春
巡礼を見送りゐるは葱坊主/青柳志解樹
巡礼の脚投げ出して桜かな/栗田千代子
春の日の巡礼蝶に似たるかな/尾崎紅葉
大和路を花巡礼と名のらばや/水田正秀
秩父路は霧篭めの巡礼を抱くや/中原梓
俳句例:41句目~
巡礼に山日を強ふる竹煮草/上田五千石
巡礼の如くに蝌蚪の列進む/野見山朱鳥
薄氷を踏む巡礼のとどまらず/黒田杏子
渚にてミカンを分かち巡礼なり/中田剛
身ぎれいな巡礼あふぐ山ざくら/下田稔
身に白衣海女は巡礼かも知れぬ/林昌華
雪を来て人も墓標も巡礼者/金箱戈止夫
巡礼や稲刈るわざを見て過る/正岡子規
風鈴を手に巡礼の音とかはる/古館曹人
早稲の香の沸きかへる中巡礼道/高澤良一
ここよりを巡礼街道雪ぼたる/ふけとしこ
濃あぢさゐ巡礼木偶の腕で泣く/谷中隆子
巡礼の秩父はかんかん照りの道/高澤良一
ためらいなき歩巾高地族巡礼の/伊丹公子
はたた神古寺巡礼のはたてにて/和田悟朗
ゑんどうの蔓の巡礼ごころかな/藤岡筑邨
エルサレム巡礼満ちて春来る/神戸賀壽朗
巡礼にまぎれてうすばかげろふも/中田剛
巡礼衆に菩提子こぼる石たたみ/村垣幸子
巡礼はまぼろしか棲み青秩父/河野多希女
俳句例:61句目~
巡礼のごと人かすむいくさあと/玉城一香
日翳りて流るる花藻巡礼地/鍵和田ゆう子
樹木巡礼敲いて撫でて秋気澄む/香坂恵依
巡礼のふれてゆきたる吊忍/西山睦「火珠」
落暉冷ゆ古寺巡礼にも妻気短か/鍵和田ゆう子
のじぎくの堀を巡りて古寺巡礼/長谷川かな女
五百羅漢に揚羽巡礼くりかへす/きくちつねこ
巡礼の鼻血こぼし行く夏野かな/蕪村「落日庵句集」