紅茶に関連した俳句の例をまとめました。
紅茶を含む俳句例
花つくり紅茶の卓を若芝に/及川貞
春一番紅茶に沈む角砂糖/夏目暁子
紅茶さへ吾は水のむ夏の月/会津八一
透明な紅茶軽快なるノック/片山桃史
蟷螂に午後の紅茶の香る窓/宮武寒々
紅茶淹れ軽騎兵聴く六日の夜/大島民郎
しあはせの一杯冷し紅茶かな/麻生直美
氷柱して受信所朝の紅茶沸く/宮武寒々
雪の声珈琲は重厚紅茶は軽快/日野草城
小夜ながら紅茶の時間冬籠/楠目橙黄子
蝉声や染料として紅茶煮る/ふけとしこ
紅茶のむ少女ら夜もスキー服/中島斌雄
自愛日々冷し紅茶も控えつつ/大島民郎
鳥交る紅茶に澱の溜まる間も/櫂未知子
冬天のどこまで異邦紅茶澄む/対馬康子
秋の夜や紅茶をくゞる銀の匙/日野草城
紅茶濃き樹海うもれに蔦温泉/斎藤富雄
紅茶待つ梅雨の曇りの砂時計/安達淑子
紅茶土瓶の湯気の夜の春の蚊/北原白秋
春昼にひとりでえらぶ紅茶碗/谷口桂子
俳句例:21句目~
雪の夜の紅茶の色を愛しけり/日野草城
霜白し独りの紅茶すぐ冷ゆる/中村汀女
青葡萄紅茶のみたる手の血色/片山桃史
人妻は紅茶に毒を。我に戀を。/筑紫磐井
初旅や午後の紅茶は東京で/佐土井智津子
小鳥来て午後の紅茶のほしき頃/富安風生
幕開いてひとり紅茶の雪夜かな/渡邊水巴
春浅く火酒したたらす紅茶かな/杉田久女
朝の紅茶鷽の口笛聞きながら/尾田秀三郎
朧夜のひとりの紅茶冷めやすし/谷口桂子
汀女忌の紅茶に落とす洋酒の香/大津希水
目白来る時間紅茶を二人ぶん/長谷川晴子
糸瓜忌の紅茶に消ゆる角砂糖/秋元不死男
紅茶あまし蔦の若葉の朝の艶/大谷碧雲居
紅茶欲し枯野の果てに海あれば/原田青児
紅茶濃し日覆朱きカフェテラス/佐々木幸
おもい涙のような紅茶を印度洋/伊丹公子
きゅっと鳴る紅茶の砂糖秋の昼/高澤良一
やちまたの吹雪を言ふ子夜の紅茶/及川貞
朝顔に紅茶の湯気の見ゆるかな/島村元句集
俳句例:41句目~
木槿咲く窓辺に紅茶飲んでをり/菅井たみよ
木の実拾ふことに飽きたる紅茶かな/八坂洵
朝ぐもり紅茶におとすひとりごと/野口光江
レモンいれて紅茶薄るる朝から雪/内藤吐天
冬の小鳥紅茶が喉を過ぐように/高野ムツオ
紅茶熱しバレンタインの日と思う/金堂淑子
紅茶熱し霧にむせたる咳のあと/稲垣きくの
脱ぎ手袋の指に見られて紅茶飲む/河野南畦
今朝の秋紅茶のレモン透きとほる/河村凌子
一睡もせざりし紅茶にレモンの輪/友岡子郷
父も来て二度の紅茶や暖炉燃ゆ/水原秋櫻子
トマト好き故にピザ好き紅茶好き/高澤良一
紅茶あつし凍てつつ薔薇のひとさかり/春草
飛行機を下りて暖炉と紅茶かな/楠目橙黄子
紅茶の波紋女王の名授かる州都にて/伊丹公子
窓に他人の屋根また迫る朝の紅茶/林田紀音夫
下り立ちて紅茶冷めたりシネラリヤ/会津八一
グラヂオラス濃き紅茶にひかれけり/毒島忠孝
雪崩るるか午後の紅茶を濃く入れて/川崎展宏
秋涼し紅茶に入るるローズ/ヒツブ/志村秀子
俳句例:61句目~
梅雨寒の紅茶に落とすブランデー/入江陽「絆」
血のような紅茶を飲みてサラリーマン/仲上隆夫
ピエロ一人日覆ふかく紅茶のむ/岩永佐保「丹青」