公に関連した俳句の例をまとめました。
公を含む俳句例
島姥の魂遊ぶ桜/大森知子
公の水を放れし深き息/石昌子
手洗ふや公囲ふ石の槽/石塚友二
匂はせて公どきの佃島/桂樟蹊子
淡雪や公の香のほのかなる/加藤汀
公の舟を帆柱立ちに漕ぐ/古館曹人
公に眼さづかる月夜かな/中川杞友
年々に公汲みて舟古りし/橋本鶏二
公の穴釣り富士に皆背き/和田暖泡
初漁の公投網くりかへす/亀井糸游
湖心まで公釣の人溢れ/稲畑廣太郎
暗き湖より獲し公の夢無数/藤田湘子
ひき潮のごと公の去りゆけり/牧月耕
公の姿よければあはれなり/山田不染
公のあがる軽さに糸吹かれ/河野探風
公のフライからりと光る湖/松本光司
公の受精卵はや濁りをり/野末たく二
籠にあふれ公山の湖より来/山口青邨
莨火捨て公の湖くもらせる/青木泰夫
釣り上げし公に紅動きけり/江中真弓
俳句例:21句目～
雷殖ゆ公などは悲しからん/高野素十
公は針はづされてすぐ凍てぬ/江中真弓
公をさみしき顔となりて食ふ/草間時彦
公を焼く杉箸のすぐ焦げて/鳥越すみこ
公を釣る青空をへこませて/早乙女未知
公舟つぎつぎ蛻き夕映えぬ/千代田葛彦
わかさぎを薄味に煮て暮色くる/桂信子
公をさみしき顔となりて喰ふ/草間時彦
竿ばかり立ちて公漁といふ/深見けん二
公がひらひら釣れて雪降れり/永井龍男
公のよるさゞなみか降る雪に/渡邊水巴
公の旦暮のごときぬくもりよ/吉田鴻司
公の釣れて火桶に落つるあり/土方秋湖
公をこぼれんばかり掌に受けし/新井秋芳
公の三度跳ねたるいのちかな/阿部宗一郎
卵をもちて公わかきすがたかな/永井龍男
公のくちびるさむく釣られけり/白井爽風
わが捨てし穴に公釣れてをり/黒坂紫陽子
きりもなく釣れて公あはれなり/根岸善雄
うすうすと終ひの色して公は/渡辺乃梨子
俳句例:41句目～
公のひらひらと釣れすぐ凍てぬ/小林黒石礁
雪の鴨わかさぎ逐ふか水にかくれ/渡邊水巴
釣りあぐる公のみなきらめけり/高柳/和弘
釣りやめし氷孔をわかさぎ群れ過ぐる/佐野青陽人
