生き残るに関連した俳句の例をまとめました。
生き残るを含む俳句例
生き残る玉の金を放ちけり/篠原
鰰や末弟ゆゑに生き残り/松山足羽
泥鰌鍋囲みて誰が生き残る/柴山猛
秋風や生きのこりたる黒金/川口重美
鬢白くして生きのこる草いきれ/誓子
夏氷生きのこりいて匙の音/三上史郎
生き残りゐし法師蝉雨上り/稲畑汀子
冬の鷹二つ耳もち生き残る/寺田京子
生き残りたるは四五人年忘/野原春醪
茶揉唄向う鉢巻生き残り/百合山羽公
小春日や青き蝗の生き残り/沢木欣一
生き残る螢葉隠れ草隠れ/上田五千石
生き残る骨身に夏の粥寒し/正岡子規
生きのこる小菊も吾も何恃む/杉山岳陽
町工場福達磨据ゑ生き残る/笠原ひろむ
盆燈籠ともす一事に生き残る/角川照子
なまじひに生き残りたる暑哉/正岡子規
吹く風を友かや秋に生きのこる/中勘助
夜を独り八朔柑苦し生き残り/石田波郷
夜明路地落書のごと生き残り/佐藤鬼房
俳句例:21句目～
父の座に母生きのこる雁のころ/淵脇護
生きのこり黒き句集や終戦日/沢木欣一
四明忌や生き残る我も髭白く/内藤鳴雪
生き残りたる人の影春障子/深見けん二
生きのこるもの拙くて衣被/正木ゆう子
生きのこる世の雨寒し冬の蝿/武田鶯塘
生き残るおもひ彼方に春の川/高橋豊三
生きのこる舟虫ノアの洪水以後/檜紀代
生き残ることも運命や墓掃除/高木鈴子
生き残るための怠惰よ烏瓜/木下もと子
生き残つたからだ掻いてゐる/種田山頭火
生き残りたる福耳の冷たさよ/伊丹三樹彦
葉桜や生き残りにして死に残り/木村敏男
皐月寒し生き残りたるも涙にて/正岡子規
夜明路地落書のごと生きのこり/佐藤鬼房
嵐めく夜に生きのこる螢とあふ/津田清子
立冬や生き残るもの果つるもの/木島斗川
絵ぶみして生き残りたる女かな/高浜虚子
絵踏して生きのこりたる女かな/高濱虚子
雪の上に鯨を売りて生きのこる/加藤楸邨
俳句例:41句目～
生き残りたることかなし実万両/野見山朱鳥
生き残ることも淋しや残花飛ぶ/深川正一郎
鈴虫や一人生き残る疫痢の子/長谷川零餘子
生き残る暑さを残暑とぞいふか/上田五千石
生き残るものゝ嘆きの寝釈迦かな/近藤良郷
花八つ手生き残りしはみな老いて/草間時彦
水張りつめ洗面器の冬生きのこる/寺田京子
秋茄子のこりこりと鳴り生き残り/猪狩紫水
生きのこることの辛さよ秋の風/吉田絃二郎
生き残るのそりと跳びし馬の舌/鈴木六林男
絵ぶみして生きのこりたる女かな/高浜虚子
あぢさゐや生き残るもの喪に服し/鈴木真砂女
さくらさくら次の世は汝が生き残れ/中山一路
生き残れり蕎麦蒔けばはや花となり/林原耒井
生き残るものが焚き継ぐ炉火ならむ/辻口静夫
生き残る皇紀二千六百五十八年の混沌/畑山弘
秋風やかく焼けのこり生きのこり/大場白水郎
死ぬものも生きのこるものも秋の風/久保田万太郎
優曇華や悪友はみな生きのこり/亀田虎童子「百里」
くすり撒くとなりきんじよの生き残り髭のそよろの馬追虫一つ/草市潤
俳句例:61句目～
サイパンに生き残れりと思はねば今宵は繁に吾子ししぬばゆ/半田良平
生き残り何に栄えある世とは見む平和の像の此処にある限り/築地正子
