名所に関連した俳句の例をまとめました。
名所を含む俳句例
名所やいつの世よりの翁草/乙由
名所や絹商人の着衣始/正岡子規
蟇善光寺街道名所図絵/宮坂静生
爰ぞ万句俳諧名所の桜塚/井原西鶴
江戸名所吟行稽古始かな/黒田杏子
鶯に名所の声は何となく/正岡子規
名所や小僧案内す萩の庭/正岡子規
名所を行くや大根の花盛/正岡子規
鶯よ名所の声は何となく/正岡子規
豆植る畑も木べ屋も名所かな/凡兆
草餅のこゝは灸の名所哉/正岡子規
名所絵の明治風景花菖蒲/富安風生
化物の名所通るや春の雨/正岡子規
眼付て見よや名所の花柳/服部嵐雪
眼まで見よや名所の花柳/服部嵐雪
畑打の右も左も名所かな/尾崎紅葉
おらが在所は埋火の名所哉/正岡子規
名所に秋風吹きぬ歌よまん/正岡子規
みちのくの玉川蝉の名所哉/正岡子規
名所の松めで居れば傀儡師/石井露月
俳句例:21句目~
名所に住んでつたなき蛙哉/正岡子規
涼みとは橋の名所か水の上/藤野古白
膝折といふ名所の雲雀かな/野村喜舟
草餅のこゝは蓬の名所かな/正岡子規
蔦の這ふ吉野拾遺の名所哉/正岡子規
化物の名所へ来たり春の雨/正岡子規
名所とも知らで畑打つ男哉/正岡子規
都鳥名所佃の渡し無く/長谷川かな女
名所に住むや梅さく只の家/正岡子規
等閑に山吹咲ける名所かな/正岡子規
稻の穗の名所に神の鎭まりぬ/正岡子規
もろこしに杏の花の名所かな/正岡子規
名所は古人の歌にしぐれけり/正岡子規
秋の夜を灯さぬ鮎の名所かな/前田普羅
人柄が名所なりけりけふの月/加藤郁乎
停車場に柿賣る柿の名所かな/正岡子規
夏木立宇治は名所の多かりき/井上井月
晴るる日は霞む狐の名所かな/会津八一
茶摘女を美しと見て名所なる/吉田笠雨
春の船名所ゆびさすきせる哉/永井荷風
俳句例:41句目~
松島や名所の蚤のわれをくふ/正岡子規
春月にふところひろき名所山/飯田蛇笏
夏山のここもかしこも名所哉/正岡子規
名所一つ見残し終る夏の旅/小林はる子
身をなげた名所めでたき柳哉/正岡子規
鎌倉の名所をめぐる小春かな/会津八一
二三枚植ゑて名所や千枚田/小見山希覯子
冷やかに十境三井の名所かな/河東碧梧桐
住めば都花の名所とあらねども/石塚友二
江戸名所図絵さながらの川開き/宮岡計次
牛の尾もぬらす名所のしくれ哉/正岡子規
城跡の荒れ果てゝ虫の名所かな/寺田寅彦
名所図会探す古書街日脚伸ぶ/飯田真理子
名所絵をつぎ合せたる紙衣かな/高山二九
躑躅咲くまじなひ程の名所かな/籾山柑子
曽禰の松これも年ふる名所かな/広瀬惟然
菊供養仲見世で買ふ名所図会/栗田やすし
隅田川東風の名所と言ひたしや/藤田湘子
絵屏風の名所尽しに遊ぶのみ/真下喜太郎
さては秋名所の風を引いたげな/正岡子規
俳句例:61句目~
やがてバスは自殺名所の滝へかな/櫂未知子
涼しさにうその名所も見て行きぬ/正岡子規
夏の灯にひらくや浪花名所図会/鷲谷七菜子
名所絵図そのままの松色変へず/岡本あざみ
桜草の名所とも知らず野に遊ぶ/大場白水郎
名所なり屋根などとてもとおくてよし/阿部完市