金売に関連した俳句の例をまとめました。
金売を含む俳句例
金売憩ふ金に水を足し/関岡明石
一本の道を微笑の金売/平畑静塔
市をかがやき通る金売/桂樟蹊子
市場終りしあとへ金売/吉屋信子
金売静々笠をかむりけり/増田龍雨
金売夕空を何見上げゐる/中山純子
金屋の親爺と金の共喰談/高澤良一
金売露地深く来て汗拭ふ/加藤楸邨
金売二店出して夫婦かな/松藤夏山
山王の蝉をゆくてや金売/増田龍雨
金屋の来し町角の昔めき/星野立子
憩ふとき水静止して金売/池田秀水
日蝕や街の底ゆく金売/秋元草日居
金屋の小茂りゆかし郡山/松瀬青々
金売突然大きな顔となる/岡田史乃
金屋の二軒張合ふ祭かな/高澤良一
雨降り出す祭の森の金店/西村公鳳
西陣は路次に路次あり金売/柊愁生
踏切を一滴ぬらす金売/秋元不死男
金売おのが金を見て憩ふ/安田晃子
俳句例:21句目~
金売水を零して去にけり/星野麦人
金屋の座敷が道路より見ゆる/澤田薫
金屋の水が張られし祭前/蓬田紀枝子
金屋の親爺かたへに蚊遣香/高澤良一
一滴に膝を濡らして金売/川村亜輝子
仮住みの耳を過ぎゆく金売/渡辺恭子
熱の中声まさしくも金売/千代田葛彦
金売こぼせし水のすぐ乾く/玉田年春
金売の声や心身酷使の日日/下村槐太
金売別の声あげ路地曲る/百瀬ひろし
金売城の大手を遠く見て/水原秋桜子
金売弁天さまの水もらふ/結城美津女
金売水こぼしつゝ通りけり/藤松遊子
荷を捨てゝ火事に走りぬ金売/原月舟
金売病める金を捨ててゆく/塩川雄三
金売魔法の酸素吹き入るる/小林春水
飛騨なれや年々能登の金売/山畑一翠
仏壇の裏を金屋通りけり/八百板俊子
手を膝に金屋親爺目を配る/高澤良一
いのちゆらぐ水をになひて金売/井上子
俳句例:41句目~
からたちの花のほそみち金売/後藤夜半
すれ違つてから金売は呼ぶ/加倉井秋を
古い金屋が晴々と酉の町の道/喜谷六花
金屋が子の群を割る坂の上/蓬田紀枝子
肩替へて紀ノ川わたる金売/田上冬耕子
金屋の夕べ急ぎて猿曳町/阿部みどり女
歩をゆるめ万事は金売の歩に/古館曹人
金屋の布袋草よく肥えてをり/高澤良一
金売来し日より樹下風棲めり/村越化石
川風に吹かれつゝをり金売/今井杏太郎
金売花にさきだち来りけり/大橋櫻坡子
金売くるわの跡の路地あるき/石川春暁
金屋の親爺の顔も一とせぶり/高澤良一
金屋にいつ馴染なる我子かな/籾山柑子
見るものに倦むまで金売憩ふ/加倉井秋を
金売の日焼奥目に死の灰降る/田川飛旅子
金売けふゐて明日もゐあはすや/石川桂郎
金屋が路地を素通りしてゆきぬ/菖蒲あや
子の生れし日金売来てゐたる/成瀬櫻桃子
金屋のとゞまるところ濡れにけり/飴山實
俳句例:61句目~
金屋のグッピーの眼が忘られず/高澤良一
金屋の暫く船に添ひ行きぬ/阿部みどり女
金屋の水とんがりてゆれてをり/上野章子
ふたゆすりして金売立ちゆけり/宮坂静生
訪へば声なし金屋の遠くより/阿部みどり女
金屋のアズマニシキは四股名にて/高澤良一
ちよと家を出て金屋にあひしこと/波多野爽波