絵巻に関連した俳句の例をまとめました。
絵巻を含む俳句例
王朝の絵巻繙く桐の花/加藤元子
王朝の絵巻現つや申祭/佐藤千兵
杜若絵巻の如く咲き揃ひ/京極昭子
通り峠棚田絵巻の遠霞/早水運太郎
夏木立絵巻物とは剥落す/岩田由美
行列の維新絵巻や開港祭/河野南畦
絵巻物末尾は瑞雲西行忌/宮脇白夜
平治物語絵巻のどこか春/田中裕明
一幅の維新の絵巻雪の寺/古市絵未
一遍の絵巻十巻花芙蓉/小原菁々子
絵巻物拡げゆく如春の山/星野立子
絵巻物三月の部は花見也/正岡子規
絵巻物さながら長き花筏/吉原一暁
先帝会絵巻に波の筋幾重/熊谷恵子
紅梅の艶めく小諸絵巻かな/滝川賜
百僧の金襴絵巻御忌法話/中村二雄
夜寒さや百鬼夜行の絵巻物/寺田寅彦
幼より絵巻このみや智恵貰/下村槐太
海棠をめぐる天平絵巻かな/平井照敏
真桑瓜歳は絵巻の如く過ぎ/渡辺純枝
俳句例:21句目~
藤原氏絵巻に栄え年立てり/大島民郎
虫干や絵巻ほどけば姫の髪/中村堯子
行く秋の焔の多き絵巻にて/桂樟蹊子
語らるる小国絵巻や夏の雨/稲畑汀子
談合の絵巻にあらむ山紅葉/谷中隆子
人生の絵巻の端に鮎を釣る/脇本星浪
過去は右へ右へ朧の絵巻物/岡崎桂子
古都動く時代絵巻やおん祭/松村和子
吉野山絵巻の端に入りゆく/矢島渚男
鵜飼見る紅惨のこの絵巻物/鷹羽狩行
お水取火の絵巻物繰るごとし/西本一都
その続き見たき絵巻やお風入/山岡和子
年々の虚子忌は花の絵巻物/今井つる女
絵巻物ひろげし如し姫小松/成瀬正とし
三秋の絵巻果てゆくごと星座/荒井正隆
絵巻物ほどの明るさ濃山吹/成瀬正とし
哀史秘む銀山絵巻曝さるる/山本ノブ子
散紅葉鳥獣絵巻かくれなし/水原秋櫻子
絵巻まき終ふるに間あり虫の夜/石島岳
絵巻見て伊豆の海見て実朝忌/大島民郎
俳句例:41句目~
武者人形絵巻の山も川も晴/櫛原希伊子
時代祭通過す絵巻繰るごとく/田渕成水
雪の夜の絵巻の先をせかせたる/辻桃子
風入れの寺宝絵巻や文化の日/冨樫藤予
立子忌や偲ぶこころに虚子絵巻/安原葉
麦の芽のつづきて武田絵巻かな/古舘曹人
戯画絵巻ころがしひらく遠河鹿/桂樟蹊子
屯田兵絵巻冷ゆ手をさすりつつ/高澤良一
万緑やラインに絵巻のごと古城/関森勝夫
絵巻よりひとりを加へ紅葉狩/柴田佐知子
啓蟄や絵巻のやうに帯締めて/窪田せつ子
短夜やほどけばすぐに絵巻物/阿波野青畝
うつろへる日にうすずみの花絵巻/大橋敦子
くわりんあり鳥羽僧正の絵巻あり/後藤夜半
をみな泣く源氏絵巻の露けさよ/野見山朱鳥
櫟若葉に絵巻の彩の茶会びと/鍵和田ゆう子
鳥獣絵巻枯れゆく山をそばだてて/堀口星眠
信貴山縁起絵巻の山の木の実かな/尾崎迷堂
徒歩ゆくや花野の絵巻巻くごとし/伊藤敬子
奥阿蘇に虚子絵巻ありほとゝぎす/大久保橙青
俳句例:61句目~
霞む日のかなしき絵巻ひろげゆく/水原秋櫻子
そのかみの絵巻はいづこ濃紫陽花/久保より江
炭の香や絵巻ひろげて主客こごむ/松本たかし
ゆづり葉や蔵にねむれる絵巻物/鍵和田ゆう子
白描の絵巻ほどかれお風入/加藤三七子「無言詣」