医者に関連した俳句の例をまとめました。
医者を含む俳句例
一葉や楊枝の雫歯抜け医者/洞雨
医者らしき俥待ちけり門柳/白古
追々医者を呼びにやらるる/史邦
供一人夏川渡る医者の駕/正岡子規
村医者の洋服着たる暑哉/正岡子規
藪医者の玄関荒れて桐の花/正岡子規
辛夷咲く村に一人の万医者/水原春郎
医者の前口中に炉火てらてらす/龍太
腹裂きて医者生臭き秋の蝶/神山姫余
島の医者経木帽被て往診す/津江碧雨
医者の馬は闇に秋夜の小葬/飯田蛇笏
村医者も輪の中にゐて盆踊/渡辺セツ
世上の医者朝寝の種やけふの菊/口慰
村医者の洋服着たる土用哉/正岡子規
供待に医者の俥が種痘の日/石川桂郎
安居僧裏門よりの医者通ひ/河野静雲
短夜や頻りに叩く医者の門/正岡子規
秋風や医者の俥を入るゝ門/野村喜舟
お会式の人波よぎり医者迎へ/荻原ト山
くちなしや医者の頭の中思ふ/松本文子
俳句例:21句目~
医者の子の木上りしたる袷哉/正岡子規
つくづくと医者殿を見る暑さかな/半朱
ひとくさり医者の悪口温め酒/荒巻大愚
昔より医者なき邑や杏咲く/宇都宮草舎
人並に菖蒲葺きけり医者の家/正岡子規
道筋の菊また褒めて医者通ひ/尾上勝久
馬医者の残暑を飲んで歩きけり/碧梧桐
麦の秋お医者通ひを恥ぢ通る/鈴木花蓑
夏痩を藪医者殿に見られけり/正岡子規
秋すでに医者も病も水びたし/柿本多映
これぞ医者の不養生なり暑気中/水原春郎
秋蝶のふらふらこの頃医者通ひ/正木海彦
医者通ひいつか日傘の人となり/清水由起
柚の花や琴かきならす医者の妻/正岡子規
栗咲くや二便のバスの医者通ひ/三嶋隆英
十二月医者に持薬のあることも/飯田龍太
夜の雪やしきりに叩く医者が門/正岡子規
藪医者の先がけしたる茅の輪哉/正岡子規
医者が来て発句よむ也初しぐれ/正岡子規
新米の医者の沈黙フリージア/やのかよこ
俳句例:41句目~
夏羽織露月は医者になりにけり/正岡子規
馬医者の門まで出水や秋の雨/石島雉子郎
無医村に今日医者がくる燕くる/白岩絹子
医者がよひ毬ばかりなる栗を踏み/石川桂郎
医者ぎらひ注射ぎらひの日向ぼこ/武田忠男
樹の医者を通はせてゐる返り花/ふけとしこ
医者の手が児をひとつかみ寒燈下/今瀬剛一
医者呼んではばかりもなし土用灸/川畑火川
落ち合ひて新酒に名乗る医者易者/夏目漱石
患者より医者いたはられ敬老日/築城百々平
行きつけの医者が舁きゆく大熊手/田中俊尾
麦秋や医者にからだをみせにゆく/松本雨生
をかしくば口やつねらん医者ころし/飯田蛇笏
医者のいふ諸悪が好きで梅雨ごもり/佐治朱港
医者通ひ日焼さそひて癒えそめぬ/古賀まり子
樹の医者に叩かれて梅咲きにけり/ふけとしこ
まつさきに医者へとどけしお中元/滝沢伊代次
子供に赤マント着せて医者へ連れる/大橋裸木
鼻唄さやにお医者様でも草津の湯でも/高澤良一
医者どのと酒屋の間の杏かな/召波「春泥発句集」
俳句例:61句目~
花屋暮れいろの花の中へ医者がはいつた/大橋裸木
頻尿のありなしを医者の問ふにさへ心おそるる老到りたり/清水房雄