労働に関連した俳句の例をまとめました。
労働を含む俳句例
千人が花の息吹の労働祭
雨傘も幟も静か労働祭/高道章
老守衛口開け歌ふ労働祭/轡田進
吊革に顔一つづつ労働祭/奈良文夫
労働祭赤旗巻かれ棒赤し/三橋敏雄
梅雨ながし労働会館草の中/穴井太
冬帽子目深に異国労働者/西尾照子
凍星は末梢神経の労働歌/赤石憲彦
雪華麗雪の中なる労働歌/石原八束
苗代の水張る労働前夜祭/萩原麦草
ある窓は星燃ゆる夜を労働歌/三谷昭
こたへなき雪山宙に労働歌/飯田蛇笏
焼跡に垂込め居りし労働祭/石田波郷
馬と人泥田に挿さり労働祭/西東三鬼
風の幹攀づ蟻のあり労働祭/伊東宏晃
青蔦広場の糸取唄は労働歌/鈴木栄子
巨き船造られありて労働祭/山口誓子
裏口の鍵をあずかり労働祭/和田璋子
労働祭朝の汚れぬ顔急ぐ/殿村菟絲子
まどろすが丹の海焼や労働祭/山口誓子
俳句例:21句目~
まら振り洗う裸海上労働済む/金子兜太
菓子パンを選るも労働祭の中/斉藤夏風
メス沈め湯が労働者として沸る/渋谷道
ユダの徒もまた復活す労働歌/加藤楸邨
冬木坂うで組みわれら労働者/岸風三楼
労働歌聞き終りたる海女沈む/萩原麦草
労働歌蚯蚓うるほひ身を進む/津田清子
労働祭ポプラ絮吹く公園に/小野寺洋子
回診が来ぬ手のしろき労働者/横山白虹
労働祭汽罐車日浴びつつ憩ふ/藤田湘子
メーデーや子を鷲掴む労働者/辻田克巳
太陽一つずつ労働祭の水たまり/島津亮
福相がなぜか旗もつ労働祭/是枝よう子
花火の弧凹眼の頭脳労働者/八木三日女
菓子パンを買ふも労働祭の中/齋藤夏風
已むを得ず後尾乱るる労働祭/太郎良昌子
握力尽くし閉づ朝顔や労働歌/平井さち子
労働祭前夜の機械いたわり拭く/内藤吐天
労働祭五十路の歌は口あけず/米沢吾亦紅
発破もて割りし岩見ゆ労働歌/榎本冬一郎
俳句例:41句目~
労働祭厨夫は船の湯にひたる/米沢吾亦紅
踏みしだく芝の青さや労働祭/水原秋桜子
不意にめざす食後の労働者丘へ/前川弘明
暮れてなほ風樹はみどり労働祭/冨田みのる
労働歌押し寄せ花崗岩かがやく/榎本冬一郎
労働の手をさしだして太陽嫌う/鈴木六林男
夫婦してラーメンすする労働祭/坂本登美子
労働と言ふや堆肥の湯気とかほり/香西照雄
列の後尾より労働歌押しもどす/榎本冬一郎
労働祭市電あふるゝにまかせたり/米沢吾亦紅
夜具干して労働祭の水夫かへらず/米沢吾亦紅
蔵王キラキラ労働者らは肉の船団/稲岡巳一郎
雨の雑踏雨衣より垂れ労働者の手/鈴木六林男
今日の新聞手に古り柔和な労働者/鈴木六林男
ハングライダー空に貼りつく労働祭/宇田川修一
大地さむければ人あらわれて労働者/栗林一石路
夏夜の一角で労働歌うたふのもきこえる/栗林一石路
満天の星消ゆるまで空磨く労働の中身たれも穢して/田島邦彦
労働の終りしかたち石炭にシャベルさされしままに春の夜/田谷鋭
秀をゆりて風に逆らふ冬木立労働はかがやかにわれにもありき/瀧澤亘
俳句例:61句目~
巨大な重力の下、眼も手も全身の神経が奪われた労働ヘロープ伸びきつている/橋本夢道