切符に関連した俳句の例をまとめました。
切符を含む俳句例
切符や樽に眺めのおそ桜/調鶴
晩年の青春切符星祭/三浦すゑ
小説の発端汗の捨切符/藤田湘子
雁や帰郷の三等切符買ふ/阿部完市
観劇の切符むらさき春隣/山田弘子
黒揚羽切符拝見致します/丸山嵐人
燕来る少年切符にぎりしめ/吉野精
切符買ふ列に並んで年用意/三宅桂
朝桜切符売子の顔を見ず/香西照雄
大凧を駅天井に切符買う/対馬康子
春寒の切符咥へし行商婦/石川文子
島行きの黄色の切符夏鴎/石川文子
戸隠へ切符二枚や初夏の旅/武石花汀
銀河濃し行先残る切符捨つ/津田清子
手袋を咥へ夜汽車の切符買ふ/後藤渡
角固き観潮船の切符持つ/猿橋統流子
花の駅夫の切符と重ね切る/久力澄子
稲妻や切符吸ひ込む改札機/吉田麗子
改札に切符を探す秋黴雨/松沢佐多子
春眠し握りし切符黒くなる/志村宗明
俳句例:21句目~
秋雨や疏水の舟の切符買ふ/高田蝶衣
秋日燦天国自由切符欲し/沼尻巳津子
海へ行く切符一枚買初に/小野恵美子
木枯や昼の灯に売る舟切符/本多佑子
青胡桃旅の切符のやうに置く/鈴木鷹夫
コスモスも切符の色も淡き旅/中嶋秀子
人送るための切符を買ふ薄暑/内田美紗
冬帽に切符をはさみ父と同じ/田村千勢
夏朝や小切符くばる三五軒/廣江八重櫻
島渡船切符売女が海髪を撰る/榊原池風
改札の切符とび出す春の暮/能村登四郎
無愛想に切符飛出る薄暑かな/太田梨三
時雨聞く二条の城の切符売り/鈴木鷹夫
逝く年の星ほど切符の鋏くづ/有馬朗人
鏡抜け出て地軸への切符買う/竹末/絹
雑貨屋で切符を買ひぬ枯野駅/石川文子
切符買うて手毎にかざせ初紅葉/尾崎紅葉
切符数枚ちらばる薄暑遠方より/伊丹公子
磁気切符月光の微粒子を帯び/正木ゆう子
冬薔薇切り取り線の無い切符/伊串たき子
俳句例:41句目~
亡夫よりの切符届かず年明くる/高橋笑子
ポケツトに残りし切符去年今年/久保純夫
若葉風車掌ぐらりと切符切る/工藤眞智子
西日膝にあふれ海への切符切る/斉藤夏風
ローカルの切符は硬し赤のまま/白内慶太
夏惜しむやはき電車の切符かな/久保草洋
気まかせの切符夏帽風まかせ/文挟夫佐恵
顔見世の切符渡してからのこと/稲畑汀子
かなかなや旅の終りの切符買ふ/家里泰寛
着ぶくれて汽車の切符が後生大事/遠藤梧逸
西空の虹行き切符で逝きしひと/平井さち子
ボーナスや父の国まで切符買う/宮川壽美子
春はあけぼの切符販売機の点字/矢島三榮代
外套に捜るニューヨーク行き切符/対馬康子
鳥追の車掌に剪らす切符かな/竹下しづの女
いちまいの切符からとは春めく語/後藤比奈夫
時間を切符で売る埋没した地下鉄/東川紀志男
切符くわえてうさぎ耳垂れ珠江朝雨/阿部完市
衣嚢つめたし乗車切符の四つの角/鷲谷七菜子
ポケットに切符とマスク連れ居らず/小出秋光
俳句例:61句目~
汽車の切符買はんとして手袋脱げざる/正岡子規
駅長兼駅夫が蚊帳から出て来て切符切る/青木健作
やうやくの逢ひの後さへ行先の違ふ切符をもちて別るる/黒田淑子