イエスに関連した俳句の例をまとめました。
イエスを含む俳句例
泉に灯夕暮はイエスの匂ひ/伊藤希眸
霜旦のイエスに通す緋毛氈/高澤良一
雪嶺や右に首垂れイエス像/野澤節子
初暦山上のイエス天を指す/秋山育子
入学すイエスの渇き壁に見て/岡本眸
唐辛子咲くや罵るイエス亡し/夏石番矢
夏痩せて吾は肋の似非イエス/高澤良一
麦秋やイエス小暗き灯を好み/伊藤伴子
八月の沖よりイエスあらはれむ/長田等
十字架のイエス一人や秋の堂/相馬遷子
暖冬や街にはイエス現われず/対馬康子
万緑やイエス打ちたる釘三本/加藤耕子
桃は釈迦李はイエス花盛り/福田甲子雄
秋日まつかう幼なイエスの広額に/林翔
稲雀農夫貧しくイエスに似て/有馬朗人
郭公の谺し合へりイエスの前/大野林火
小鳥来る若きイエスの受洗図に/村田白峯
覆はれし受難のイエス雪降れり/大野林火
すさまじやイエスの長き向う脛/河野照子
日本の厩のイエス子にゑがきて/石川桂郎
俳句例:21句目~
臥すわれを見下ろすイエス夜長し/下田稔
泥鰌掘る受難イエスのごと汚れ/景山筍吉
燕の糞かはけり村のイエスの肩/寺山修司
イエスより軽く鮟鱇ぶらさげる/有馬朗人
古る母子寮南京虫とイエス棲む/藤森しん
鴨の声イエス泣かせてあるらむか/齋藤玄
青葡萄イエスの泪地に満てり/成瀬桜桃子
朝の街ミルクのなかのイエス様/滝口千恵
黄落やイエスの頬の皺ふかく/片山由美子
きつつきや大工イエスの腕いかに/高千夏子
ひげの無きイエスに近し水中り/田村みどり
まはだかのイエスの像や蛇の衣/秋山已之流
みどりごをイエスの前に昼寝さす/有馬朗人
イエスよりマリアは若し草の絮/大木あまり
イエスより軽く鮟鱇を吊り下げる/有馬朗人
イエスほど今年の夏を痩せにけり/竹村良三
初弥撒やイエスは常のごとく痩せ/片山白城
初風呂の病夫はイエスよりも痩せ/品川鈴子
北風やイエスの言葉つきまとふ/野見山朱鳥
枯野ありイエスはいつも足垂れて/有馬朗人
俳句例:41句目~
菜殻火やイエスの如くわれ渇す/野見山朱鳥
蔦紅葉イエスは修羅をまだ知らず/齋藤愼爾
見ぬ世まで罪問いたるかイエス像/神山姫余
郁子咲くや聖母イエスを深く抱き/倉田素香
龍の玉イエスの視界晴れそめし/野間口千佳
成人の日ひかる唇イエスと言う/山口可久美
毛布被てイエスのごとく夫眠る/山下知津子
いちまいの踏絵のイエス語らねど/山本歩禅
冬日よりあをしイエスを描きたる/野見山朱鳥
絵硝子のイエスも梅雨に入りにけり/細川加賀
イエス立つ野はことごとく末枯るる/有馬朗人
初蝶とわたしとイエス/キリストと/津田清子
牡蠣を揚げイエスが夫の尼僧らは/大木あまり
イエス手をかざすがごとき枯木かな/小路紫峡
蓮の実の飛んでイエスの臍くらし/大木あまり
抱かれたるイエスをさなき踏絵かな/加藤三七子
イエス売るべし晩秋のひげそられゐて/有馬朗人
柚餅子切るイエスの脛のやうなるを/吉本伊智朗
美しき駅を建てむと胸板の傾斜にふれつ/汽車知らぬイエス/水原紫苑
雪でみがく窓/その部屋のみどりからイエスは離りニーチェは離り/坂井修一