五十に関連した俳句の例をまとめました。
五十を含む俳句例
秋袷袖の道行き五十肩/安西篤
男享年五十六業平忌/川崎展宏
五十聟天窓をかくす扇かな/一茶
わが声の五十となりぬ凧/藤田湘子
五十回春来て鏡囲いの朝/池田澄子
外套や或日物憂き五十肩/石塚友二
鶯餅五十がらみの男買ふ/高澤良一
蝿叩五十迎ふる顔なるか/清水基吉
だんだんに五十五才へ青瓢/斉藤夏風
弥生尽齢五十の膝の接ぎ/米沢吾亦紅
二十の恋五十の恋や花大根/石塚友二
麦酒つぐや胸中の子も齢五十/及川貞
橋上を橋下を燕五十過ぐ/松倉ゆずる
五十まで母もつ人ぞ花の春/松岡青蘿
巴旦杏掌中にして五十過ぐ/岸風三楼
薺粥妻も五十になりにけり/西本一都
五十なほ待つ心あり髪洗ふ/大石悦子
五十来る春の炬燵に足太り/菖蒲あや
五十猛の葛の花噛む女かな/夏石番矢
春日傘ひらいて五十妻若し/清水基吉
俳句例:21句目~
花茣蓙や五十の膝を母の前/細川加賀
齢して五十の姉や暑気中り/石塚友二
鉄線花汀女も五十過ぎにけり/岸風三樓
雛の宴五十の内侍酔はれけり/五車反古
五十とはあまりに若しそゞろ寒/林香翠
五十にして冬籠りさへならぬなり/一茶
五十までは数へて凍てぬ石仏/鈴木鷹夫
五十より始むる起算葱の花/磯貝碧蹄館
五十過ぎても男力や鏡割る/下村ひろし
山の胡桃抱へて厚着五十なる/村越化石
師は逝けり霜の春秋五十七/山田みづえ
生姜湯や生きて五十の咽喉仏/石塚友二
瞑るや春日飛びつく五十の膝/小林康治
稲刈の疲れによろけまだ五十/大熊輝一
落葉踏み五十の齢を知らされぬ/杉本寛
われ五十色わけて咲く更紗ぼけ/巌谷小波
四捨五入すれば五十と餅を焼く/星野立子
年五十蜻蛉つりしことを思ふ哉/正岡子規
破魔矢さす襟や五十の恋いかに/小林康治
空をゆく花びら五十さびしきか/黒田杏子
俳句例:41句目~
人並になりし五十の鮟鱇鍋/長谷川かな女
栗めしを食べ五十五の児の如し/辻田克巳
蒲団の重さ天井の低さ五十腕に/原田種茅
五十九のわれにおどろく菊根分/黒田杏子
蜘蛛の囲に頭つきさし五十過ぐ/岸風三樓
背合せに妻と刈る萩五十過ぐ/池月一陽子
隙間風五十腕置くに膝よりなし/原田種茅
残る暑や五十の吾の父母かなし/相馬遷子
頭を振れどつひに五十の秋の雲/相馬遷子
身を以て五十の冷えを肯へる/石田あき子
あつけなく五十を過ぎし雲の峰/小島千架子
毛虫焼くや五十の恥をさらさむと/皆川白陀
四十手も病みき五十手の今年かな/久米正雄
柚子咲くや五十の我を父知らず/片山由美子
冬あたたか五十のわれに母在れば/大野林火
薔薇抱きて微笑パイヤールは五十/鈴木鷹夫
年の瀬や五十の瀬戸も越えまさず/石塚友二
障子閉ぢて一家の長よ五十はや/猿橋統流子
猪鍋つつくづんべらぼうの五十かな/吉田未灰
五十にて九年母みたり母こほしく/日夏耿之介
俳句例:61句目~
五十とや白息吐いてきよろきよろす/石塚友二
五十にならばせうとせしこと小鳥来る/大石悦子
利休梅五十はつねの齢ならず/石田波郷「酒中花」