骨壺に関連した俳句の例をまとめました。
骨壺を含む俳句例
雁や骨壷にある花結/古舘曹人
骨壺に入る春色の喉仏/篠遠良子
烏渡る骨壺ほどの漆筒/古舘曹人
骨壷を探す誓文払ひかな/須田保子
骨壺のごと酒花菜母郷行/古舘曹人
草紅葉骨壺は極小がよし/飯田龍太
野道寒し骨壺袖にかき抱く/上村占
夕焼の道骨壷をかかへ来る/瀧春一
骨壷が越す籠坂も滴れり/萩原麦草
骨壺にわが息通ふ春の霜/細田寿郎
骨壺は溝萩盛る家を出で/高澤良一
骨壺に桜散りこむ怒濤かな/須藤徹
母よ弟は骨壺にみたず/栗林一石路
骨壷に入り父抱く百合鴎/高橋裕子
まだ温き骨壺の父古びゆく/三橋敏雄
秋薔薇妹の骨壷まだぬくし/清水靖子
鼻寒し父の骨壺を抱き温め/小林康治
骨壺をいづこに置くも秋のこゑ/原裕
骨壷の夫を春著の膝にのせ/品川鈴子
片附けて骨壷ひとつ柞散る/斎藤夏風
俳句例:21句目～
骨壷を置きて雛を並べけり/坊城中子
骨壺にすこし離れて夕端居/中村祐子
骨壺に葛生の青嶺見せ戻る/高澤良一
骨壺に雨はじけたり山法師/大長文昭
骨壺の白きを秋の蚊帳に見つ/瀧春一
秋草に骨壺置けば沈みけり/金子青銅
骨壺のぬくきを汗の身にいだく/瀧春一
骨壷を抱いて見ている遠花火/平島一郎
八十八夜骨壷によき益子焼/鳥居美智子
冬鵙や骨壷しかと抱きゆく/小野寺安居
骨壺の前に裸でまた泣けり/成瀬櫻桃子
骨壷と一つの部屋に明易し/深見けん二
骨壺は涼しきがごと墓に入る/川崎展宏
骨壷を抱けば鈴ふるごとく雪/中村堯子
骨壺もしばし冬田の中にかな/荒木忠男
野分浪ひびけ抱かるる骨壺よ/羽部洞然
骨壺や風に日に世に簾して/中尾寿美子
骨壷を抱きしこと二度露の山/矢島渚男
骨壺に落葉のごとく集めらる/仁平/勝
骨壺が置かれとびちる花火空/和知喜八
俳句例:41句目～
骨壺に追ひすがるもの白き蝶/京極杞陽
骨壺を吊げて亡父来る鵙日和/齋藤愼爾
骨壺を抱きしこと二度露の山/矢島渚男
揚羽来るまだあたたかき骨壷に/坂本宮尾
散るさくら骨壺は子が持つものか/安住敦
骨壷にもの言ひ抱けり秋の雲/成瀬櫻桃子
骨壷抱くも談笑しつつ枯木の道/原田種茅
骨壺のぬくみを抱き身にぞ入む/大橋敦子
骨壺へ母はものいふ忘れ霜/鍵和田ゆう子
骨壺の父へ咲き合ひ君子蘭/鍵和田ゆう子
骨壺にもの言ひ抱けり秋の雲/成瀬桜桃子
梅干ひとつぶ/骨壷を掻きまはし/三橋鷹女
小春骨壺妬ましきまで添ひ給ふ/長谷川秋子
骨壷とならびてメロン網かぶる/榎本冬一郎
骨壺のコトリ菫の咲いている/たむらのぶゆき
骨壺はじめ新しづくめの京子の夏/平井さち子
カタと鳴るぬくき骨壺雪降り止む/山本つぼみ
骨壺のある生活のどうしやうもない/栗林一石路
死んで弟は骨壺の骨、峠の海が青しとも青し/橋本夢道
骨壺の弟よ児弟でふるさとの流れや橋を渡る/橋本夢道
俳句例:61句目～
骨壺の弟を抱え母と故郷の海見ゆる峠となる/橋本夢道
一石路よさつぱりと骨になり白い骨壺針金でしばられておる/橋本夢道
