食卓に関連した俳句の例をまとめました。
食卓を含む俳句例
食卓は女の机黄水仙/田所敏子
食卓に葡萄一房置手紙/宮坂静生
六甲の水新涼の食卓に/山田弘子
肥る夏華麗な海老を食卓に/原裕
食卓や菊を囲んで五六人/寺田寅彦
ふるさとの食卓飾る皿の鮎/近藤君
食卓に陸の花愛ず船の朝/横山房子
天道虫何ゆゑ夜の食卓に/石川文子
妻子ゐて円き食卓青山椒/細川加賀
食卓に塩こぼしつつ山笑ふ/皆吉司
船旅を終へし食卓衣被/稲畑廣太郎
春惜しむ食卓をもて机とし/安住敦
青饅や大小斎の食卓に/稲畑廣太郎
梅雨嫌ふ食卓塩の赤き蓋/高澤良一
食卓に黄菊皇礼砲ひゞけり/片山桃史
食卓を書卓に西日避け移す/石塚友二
咆哮の夜瀧となりぬ食卓に/古舘曹人
食卓で済むもの書いて昼の虫/岡本眸
曖昧な土筆の言葉食卓に/田川飛旅子
秋草を食卓に活け愛づ生活/高澤良一
俳句例:21句目～
誰も坐らぬ食卓見えて秋簾/寺井谷子
水になる夕刊/食卓で傾く/星永文夫
水を飲み汽車の食卓黄水仙/中西舗土
食卓にあり食べられぬ烏瓜/山口誓子
食卓を広しとおもう濁り酒/三浦澄子
木瓜の花食卓午后になりゆく/瀧井孝作
梅雨に入る食卓塩の穴じめり/宮本修伍
爽やかや朝の食卓ハーブの香/平野和子
石が食卓涼しく一ツ釜に食ふ/石橋林石
聖金曜日の食卓を浄めけり/小泉瀬衣子
蓮を見る詩人のまるき食卓よ/田中裕明
薔薇生けて食卓のアンソール展/仁平勝
食卓にサフランライス小鳥来る/東静子
食卓にレモンと鰯文化の日/山田みづえ
食卓に塩をきらさず秋立つ日/宮坂静生
食卓に活けて茎すく曼珠沙華/横山房子
食卓の下の日溜りシクラメン/西村和子
食卓に夫がゐる夜の胡瓜もみ/西村和子
食卓は原木のまま小鳥来る/鈴木けんじ
食卓は話題の広場さくらんぼ/山田弘子
俳句例:41句目～
春宵の食卓かこむ一人缺けし/内藤吐天
食卓の少し傾くキャンピング/中野孤城
寒林の明るさそれは他人の食卓/木村和彦
食卓に夏めげぬ子等の瞳かな/島村元句集
なす漬の紫紺かがやく食卓に/山岡千枝子
しばらくは月見草の苗食卓に/岩淵喜代子
月見草に食卓就りて母未だし/竹下しづの女
チユリツプにま白き食卓蔽ひ哉/飯島みさ子
振り回したコトバが食卓を撃つ/小池八巧水
海鳴りを耳鳴りとして今朝の食卓/瀬川泰之
食卓の鉄砲百合は素つぽをむく/加倉井秋を
食卓にこんぺい糖やかの子の忌/星野麥丘人
さんざんな日の食卓にほうれん草/高澤良一
ゆつくりとたつぷりと暮れ春の食卓/陽山道子
食卓にまたゝくや夜長の小蝋燭/阿部みどり女
食卓にエプロン投ぐる芙美子の忌/上田日差子
食卓のもの急に白らける雪の風/飛鳥田れい無公
覆ひ布覆へるときに食卓の十二人と一人あらずも/高橋睦郎
収穫を見に来た蝶も茹であげて終戦の日の食卓に盛る/大田美和
死に到る食卓遥か続きゐていくつかは椅子二脚をそなふ/高橋睦郎
俳句例:61句目～
遠き晝わが食卓に就くひとり或いはいまだ生れずかもあらむ/高橋睦郎
