八十路に関連した俳句の例をまとめました。
八十路を含む俳句例
介添もいらぬ初湯の母八十路/民郎
旅記す八十路の母の初暦/前田和子
明易く八十路半を過ぎんとす/梧逸
袋角熱しや八十路とて女身/木田千女
気負なき八十路の生活百日紅/辻正一
弾初や八十路の母の桜狩/古賀まり子
夏雲や八十路初めて患者食/松村蒼石
奔放に生きし八十路や烏瓜/小川末子
たてまつる八十路の母に蓬もち/及川貞
生身魂八十路の母へ妻逢ひに/近藤一鴻
八十路まだ頼られてをり烏瓜/滝沢菊子
万尺の雪渓を踏み八十路なる/石野冬青
余花の雨八十路の老のかんばせに/風生
戦ひに死なず八十路の裸かな/漆谷豊信
八十路なる母のおん名を祝箸/角川照子
八十路てふ節目重たし実南天/鈴木ふみい
八十路の母はこべら提げて立話/高澤良一
八十路まだ夢みる日々や百日草/千原満恵
八十路半ば胸の奥まで初明り/水原秋櫻子
八十路女の餅つく姿それも舞/武原はん女
俳句例:21句目~
ゆつたりと八十路迎ふる夏羽織/今井松子
急ぐな冬陽八十路の母が襁褓干す/武政郁
逆縁の八十路の年のまた暮るる/大滝時司
母八十路今日の昼寝を愉しめり/栗生純夫
送り火やわれら八十路の影二つ/鈴木龍江
寒紅をひそかに求め八十路たり/菖蒲/あや
八十路なほ恃むものあり鷽替ふる/千原満恵
松の花八十路の耳に潮しづか/阿部みどり女
梅酒漬け八十路の姑のたくましき/杉山良子
八十路なる父の綯ひたる注連飾/青柳志解樹
水巴忌や八十路の新を詠はねば/小川原嘘帥
母の日の八十路の母にバラ溢る/赤城さかえ
ながらへて八十路になりぬ網代守/正岡子規
花火張る港まざまざ八十路へ師/諸角せつ子
ともに生きともに八十路や初笑ひ/村越化石
手つかずの八十路の世あり百日紅/石川久甫
母にどこか似たる八十路の花野守/古賀まり子
照れ照れよ八十路越えこそスベリヒユ/永田耕衣
みづはさす八十路の老いに梅しろき/久保田万太郎
八十路なるわれも知らざる薬の日/澤田緑生「遺跡」
俳句例:41句目~
母の日や病み臥すこともなく八十路/高村寿山「清流」