たらの芽に関連した俳句の例をまとめました。
たらの芽を含む俳句例
たらの芽や晩霜径をかゞやかす/秩父
多羅の芽の十や二十や何峠/石田波郷
多羅の芽を食べ月山を志す/兒玉南草
茜解きたらの芽緑ならんとす/河野探風
たらの芽や少年少女光り飛ぶ/栗林千津
たらの芽や湖心を包むささら波/森総彦
山辺にはたらの芽を摘む彼岸かな/白雄
山刀伐の太きたらの芽朝日出づ/池田義弘
弟の死よたらの芽を摘んで来よ/萩原麦草
客あればたらの芽かきに妻走る/堤俳一佳
たらの芽に淡き年月ありにけり/武嶋一雄
たらの芽に要塞青き日の耀りぬ/下村槐太
たらの芽に雨霽れ蜘蛛は成長す/宮武寒々
たらの芽や飛鳥より来る川の音/桂樟蹊子
たらの芽や矢倉に鬱と虚子の墓/石川桂郎
たらの芽や山籠背負いゆく父よ/駒走鷹志
退屈もたらの芽も天麩羅にせり/櫂未知子
たらの芽のひとつぐらゐは佛かな/岡井省二
たらの芽のサラダは食うぶ頷きて/林原耒井
たらの芽の仏に似たる瀬のひかり/巌谷小波
俳句例:21句目～
たらの芽の摘めばたちまち人臭し/藤田湘子
たらの芽の葉のひろがりに月円か/大津春洋
たらの芽やまとまりて降る山の雨/藤崎久を
たらの芽や後生の顔に日がかつと/岡井省二
たらの芽や放浪の血を末つ子に/大木あまり
たらの芽や日の暈のあと月の暈/大峯あきら
たらの芽や空をばうちに抱く御空/安井浩司
たらの芽や銀を運びし山路荒れ/岡部六弥太
たらの芽や顔それぞれの生ひとつ/草間時彦
たらの芽をとり残し来し奢り/すずきりつこ
たらの芽の仏に似たる瀬のひかり/巌谷小波
たらの芽や結城のたより聞えざる/正岡子規
牛追つて背籠にたらの芽をふやす/太田土男
独活噛めば郭公たらの芽を噛めば/皆吉爽雨
たらの芽といふ道草をしてゐたり/平井照敏
たらの芽に日照雨してやむ梢かな/飯田蛇笏
たらの芽に雲がゝりして鹿臥せる/飯田蛇笏
岨の道くづれて多羅の芽ぶきけり/川端茅舎
たらの芽やつと翔ちかはる蝿二つ/阿波野青畝
たらの芽やからびしをれて籠の目に/飯田蛇笏
俳句例:41句目～
たらの芽の遠野へ落ちてゆくごとし/古舘曹人
たらの芽にヤッケの岡田日郎をり/鈴木しげを
たらの芽を摘めばつむとて酒買はす/石川桂郎
雪嶺にむかひてたらの芽ぶきたる/長谷川素逝
たらの芽を食べてゆふべの顎にひげ/榎本好宏
たらの芽を食み大いなる炉を守りぬ/林原耒井
たらの芽のひとつまみなる多摩の家/臼田亞浪
たらの芽のひとの目こぼし摘みにけり/木津柳芽
たらの芽の胡麻によごして仏事かな/富士崎放江
たらの芽ぶくはつんざくごとし言貧し/加藤楸邨
山生みし曠野たらの芽どぐいの芽/長谷川かな女
たらの芽に山の日のなほよそよそし/長谷川素逝
たらの芽を摘むに先手をとられたる/吉村ひさ志
たらの芽をやさしきもののごとく食ふ/後藤比奈夫
みつめゐてまぶしきたらの芽を摘みぬ/加藤知世子
たらの芽をわかきけもののごとく嗅ぐ/能村登四郎
