垂乳根/足乳根に関連した俳句の例をまとめました。
垂乳根/足乳根を含む俳句例
たらちねの体温の鳥曇かな/橋間石
垂乳根の母の夏痩佛かな/青木重行
地蔵盆たらちね肌の餅供へ/赤松子
たらちねを夫婦と見るや星祭/その
たらちねの母君の仆を秋曇/石塚友二
たらちねの母よ千人針赤し/片山桃史
たらちねの家の暗さも大旦/行方克己
たらちねの抓までありや雛の鼻/蕪村
たらちねや音なく溜る糸瓜水/太田信子
垂乳根の奪衣婆にいま半夏生/富田直治
垂乳根の昼寝ふかぶか山の国/中山純子
たらちねのつまゝずありや雛の鼻/蕪村
たらちねの母が溶けゆく春氷/綾部仁喜
たらちねや蓬の花剪り足洗ふ/松村蒼石
たらちねに伊吹艾の寒見舞/勝井久里子
地を擦つて八重の垂乳根桜かな/関戸靖子
垂乳根のよはひの秋の墓參かな/西島麥南
たらちねの母となるまへ梨咲いて/森澄雄
たらちねの母を夢見の柚子の花/望月精光
たらちねの聲を聞かまく初電話/星野立子
俳句例:21句目～
たらちねの遺愛の蜜柑霜よけす/正岡子規
たらちねやかくなでしこの草枕/立花北枝
たらちねを触りに行くや春の道/永田耕衣
たらちねのあればぞ悲し年の暮/正岡子規
たらちねの亡き世に我や寒念仏/尾崎迷堂
たらちねの声を聞かまく初電話/星野立子
たらちねの家に帰りて青葉濃し/林原耒井
たらちねの母の下拭く十三夜/冨田みのる
たらちねの春の日向よ紫羅欄花/児玉悦子
たらちねの梦に泣く夜や鐘氷る/正岡子規
生い立ちに垂乳根知らず額の花/伊丹三樹彦
いつ来ても沼はたらちね春惜む/石井とし夫
たらちねのつまめばゆがむ草の餅/川端茅舎
たらちねの国の時雨に濡れにけり/小林康治
たらちねの母を立たする初明り/染谷多賀子
たらちねに送る頭巾を縫ひにけり/杉田久女
たらちねの蚊帳の吊手の低きまゝ/中村汀女
たらちねの雪なるぞ酒を熱くせよ/橋石和栲
たらちねのもとの冬木のかく太り/中村汀女
たらちねと湯にゐる二百十日かな/中川宋淵
俳句例:41句目～
たらちねの花見の留守や時計見る/正岡子規
たらちねとして日々潔し神無月/中村草田男
たらちねの母の御手なる黴のもの/中村汀女
一茶忌や吾もたらちねに縁うすく/田中英子
吊るし雛吊るたらちねの赤い糸/根岸たけを
垂乳根の乳の仔牛にあかとんぼ/長谷川かな女
田を植ゑて垂乳根のまた老いにけり/首藤勝二
たらちねのあかぬ目によせ帰り花/加藤知世子
たらちねの風呂吹に舌溶けゐたり/藤沢紗智子
子どもらは寝ねよたらちね年を守る/山口青邨
春の滝たらちねのこゑうちまじり/鍵和田釉子
たらちねすこやか仏手柑の実の青が濃し/青池秀二
たらちねのゆるさぬ恋の夏書かな/几董「晋明集五稿」
たらちねの昼寝寝入らせたまひけり/中村汀女「汀女句集」
垂乳根の母が釣りたる青蚊帳をすがしといねつたるみたれども/長塚節
のど赤きつばくらめふたつ屋梁にゐて足乳根の母は死にたまふなり/斎藤茂吉
