竃馬に関連した俳句の例をまとめました。
竃馬を含む俳句例
竃馬や顔に飛びつく袋棚/北枝
竈馬や顔にとびつく袋棚/立花北枝
炭斗の中に竃馬や坊泊り/佐藤梧林
太腿とさていふべきか竃馬/小島健
いとど跳ぶ民芸品に火吹竹/神蔵器
竃馬跳ぶ母は厨の人なりき/本谷英基
張り残す窓に鳴き入る竈馬かな/素牛
手に乗せて勝手の違ふ竃馬/高澤良一
海荒れて机の上の竈馬かな/岸本尚毅
干鮭の目へかがんだる竈馬かな/許六
力粥炊く炉か雨に竃馬跳ね/河野南畦
藁焚けば灰によごるる竈馬かな/丈草
竈馬鳴く猫は竈に眠るかな/上島鬼貫
いとど来る月日の果の伽の稿/小林康治
いとど谷に青筋青き卯月かな/野村喜舟
水巴選なくて淋しき竈馬の句/萩原麦草
竃馬塩屋の土間のぬくみかな/引地幸子
落柿舎の土間を真昼の竈馬/山田みづえ
竈馬の足あともあり灰のうへ/椎本才麿
竹幹のゆふ片明りいとど跳ぶ/石川桂郎
俳句例:21句目~
蟻地獄いとど小地獄秋の風/赤松けい子
錠さしてわれとりもどす竈馬/阿部娘子
みどり子の頭巾眉深きいとをしみ/蕪村
一度跳ねわが寝を待てる竃馬/村越化石
夜に座せるわれに一跳ね竃馬/村越化石
夢殿にちょっとすんでた竃馬/南村健治
大山に脚をかけたる竈馬かな/大屋達治
大山に脚をかけたる竈馬かな/大屋達治
いとど跳ぶ名主家敷の土間厨/福川悠子
いとど跳ぶ家を砦として出でず/草間時彦
この家に生れては死ぬ竈馬かな/岸本尚毅
玄関にまづあらはれし竈馬かな/岸本尚毅
竃馬誰も乗せない乗りにくし/渡辺誠一郎
我妹子の膝にとりつく竈馬かな/松瀬青々
竈馬や行灯につりしとうがらし/加舎白雄
いとど髭を燈台の灯のごと廻し/村松紅花
艇のごと展望車去りいとど鳴く/宮武寒々
竃馬飛ぶわが足元を見透かさる/斎藤由美
薄羽織たゝむ灯に来し竃馬かな/中島月笠
夜のいとど家なき友の手紙長し/成田千空
俳句例:41句目~
味噌部屋に母の面影いとど跳ぶ/塩川祐子
隣間にいとどを捨つる夜半の秋/室生犀星
いとど赤しほのぼの熱の上るとき/石田波郷
あかつきやなきやむ屋根のうら/芥川龍之介
いとど出づ御陵の方へ寝まりけり/吉田鴻司
いとど跳ぶ暗い夜が来ぬおのが家/森川暁水
潜めりし竈馬よゆるせ爐開かうぞ/高田蝶衣
ことごとく堂の竈馬の掃かれけり/岸本尚毅
品川過ぎいとど舞ひ込む終電車/松崎鉄之介
いと薄き繭をいとなむあはれさよ/高濱虚子
書きつたふことのあれこれ竃馬かな/原柯城
蚊帳の裾いとど遁るゝ目覚めかな/石塚友二
道に跳ぶ竈馬も鳥獣保護区なる/大久保白村
いとど見て妻の寝がほにめさめゐる/森川暁水
いとど跳ぶ夜の寝の夢に祖母がくる/森川暁水
ゆつくりとみなうごきをる竃馬かな/岸本尚毅
いとど飛ぶ轆轤小屋にも窯場にも/鈴木真砂女
いとど跳んでわが寝障子のうちとなりぬ/森川暁水