居士に関連した俳句の例をまとめました。
居士を含む俳句例
風鶴院波郷居士今大冬木/中里結
ひれふせば日俊居士や鶯や/齋藤玄
俳居士の高き笑や夜の雪/会津八一
合掌す緑窓傘雨大居士に/佐藤春夫
褒居士ハかたい親父よ竹婦人/蕪村
狂居士の首にかけた歟鞨鼓鳥/蕪村
寒居士の面起すや餅の札/松瀬青々
歳取や今朝居士が百の銭/浜田酒堂
鉄幹や暁星を点ず居士の梅/夏目漱石
貧居士の窓を暗うす釣干菜/浜田波静
貧居士が梅を妻とは痩我慢/尾崎紅葉
老居士と朝茶一喫露涼し/上林白草居
寒きびし悠範義道居士天へ/飯田蛇笏
居士大姉臘八粥の湯気の中/小坂順子
洞然居士庭に涼しく花茗荷/田中英子
うそ寒や一言居士の疎まれし/平井節子
門前の居士訪はれけり松の内/会津八一
ぽつねんと居士の座机昼の虫/高澤良一
乙字忌や居士の吟声耳にあり/小澤碧童
唐辛子いまも謹厳居士なりし/武田重子
俳句例:21句目～
達谷宙遊居士の塔婆を蟻上下/川崎展宏
大芭蕉枯れ居士林と扁したり/清崎敏郎
枯草の大孤独居士此処に居る/永田耕衣
禅師居士納豆仕込み給ふかな/角田竹冷
髯剃らぬ居士の頤や籠枕/長谷川零餘子
小法師の来てゆり起す昼寝居士/河野静雲
居士の墓帷子どきの過ぎにけり/古舘曹人
智楸院達谷宙遊居士霊位紅の花/齊藤美規
汗引いてくるまで素十居士の墓/星野高士
狐火のあとぞろぞろと居士大姉/木内彰志
病居士の端居そぞろなり菊の花/正岡子規
篁に飛花堰きあへず居士が家/芥川龍之介
菊の句を殘して去りぬ把栗居士/正岡子規
蚊小くて頑居士が毛脛何ともな/会津八一
蛙つぶやく輪塔大空放哉居士/水原秋櫻子
茶の花や居士の耳目の山の風/大谷碧雲居
子規居士の物見るまなこ竹の秋/高橋銀次
居士にお団子律さんに濃りんだう/黒田杏子
犬居士もヴィョンも盗むすゝき哉/加藤郁乎
利休居士笑を湛へて果てたる日/相生垣瓜人
俳句例:41句目～
つる～に剃りて昼寝に見えし居士/河野静雲
風光丁雨居士となりゐし野菊かな/皆川白陀
こゝろみに柚味噌を製す居士二人/正岡子規
子規居士の體温計とやいと露けし/高澤良一
鶴にまかせ斧をともなひ居士頭巾/斯波園女
大姉居士野に出てあそぶ月夜かな/北見さとる
元日や「積善院夢道居士」生き戒名/橋本夢道
青りんご位牌「山頭火居士」とのみ/吉野義子
秋の蝉死は恐くなしと居士はいふ/長谷川かな女
子規居士と親しく呼びて葡萄食ぶ/阿部みどり女
利根川の鯉たちみえるうしろに父居士/阿部完市
秋の蝶死はこはくなしと居士は言ふ/長谷川かな女
居士の午後一時二時居士の花の紫苑花/中塚一碧樓
夕立や庭を流るゝ柿の花戸澤百花羞、戸澤泰蔵編輯
居士臥せゐし居間より露けきものはなし/高澤良一
子規居士母堂が屋根の剥げたのを指して日が漏れ/河東碧梧桐
