火箸に関連した俳句の例をまとめました。
火箸を含む俳句例
割炭や柚が名残の鉄火箸/若風
鉄火箸霜気深まる松の奥/龍太
金火箸焼きし父亡し胼薬/森淑子
炉開や火箸にかかる鬼の豆/許六
梟や火箸を深く灰に挿し/江頭信子
真炭刻る火箸を斧の幽か也/榎本其角
火箸もて障子に蝿を追窮す/正岡子規
磨き盆銅壷鉄瓶火箸をも/相模ひろし
まさぐれば熱き火箸や初話/増田龍雨
まつさらの火箸納めの寒詣/松村節子
炭斗の炭を火箸の選り好み/後藤夜半
炉開きや火箸握る手皺刻む/野沢馥睡
吊れば鳴る明珍火箸餘寒なほ/飯田蛇笏
押へたる火箸に蜈蚣火の如し/辻田克巳
木枯や燃え減らしたる竹火箸/吉田冬葉
炉火箸の長きに香を埋めけり/後藤夜半
炉開いて重き火箸を愛しけり/後藤夜半
火箸もて三十棒の眞似を炉に/高野素十
炭斗に嘴のごとくに火箸あり/橋本鶏二
炭竃の奥の闇掻く火箸かな/あべふみ江
俳句例:21句目～
焼芋の固きをつつく火箸かな/室生犀星
爐開いて重き火箸を愛しけり/後藤夜半
消炭の軽さをはさむ火箸かな/吉田三角
訣れきて烈火を挟む火箸かな/神生彩史
あらがねの火箸つめたき夏炉かな/中田剛
埋みたる栗をうしなふ火箸かな/橋本鶏二
手のふるゝいつもの火箸の焼け/小澤碧童
灰に拾ふ火箸使ひや餘寒顔/安斎櫻カイ子
火箸の頭まるくあたたか祖母恋し/大串章
語り部の火箸叩いて締めくくる/高澤良一
鉄火箸炉に立てゝあり燕くる/瀧澤伊代次
炉に深く火箸つきさし風を言ふ/佐野美智
かなしみや火箸のように眠る夜/岸本マチ子
小鳥くる火箸の丈をいとしめば/大木あまり
火に痩せし火箸まつ赤に猟解禁/つじ加代子
火箸たててけしきととのふ火鉢かな/耳動子
水虫痒しわれならば焼火箸あてむ/加藤かけい
炉火箸に掌を置き空を過ぐるもの/中戸川朝人
灰ふかく立てし火箸の夜長かな/久保田万太郎
いのちながく痩せて蚊遣の火箸とる/廣江八重櫻
俳句例:41句目～
炉火箸へのばしたる手に数珠たれて/入江月凉子
木がらしや小溝にけぶる竹火箸/一茶/文化元年甲子
