還暦に関連した俳句の例をまとめました。
還暦を含む俳句例
還暦の祝や新走二本/根津芙紗
起承転我還暦や初詣/岩田沙悟浄
還暦やことし粽の紐固き/井上雪
菊膾還暦が座の最年少/川村紫陽
還暦の初旅花の村に着く/下田稔
椿手折りて還暦の椿姫/辻田克巳
還暦やああ清閑の忘れ雪/西本一都
相恃む妻は還暦古稀の春/西本一都
還暦の体芯深く在る燠火/武田克子
還暦の鶯餅に噎せてをり/内田美紗
鷹鳩になる還暦の祝かな/正岡子規
年神へ吾が還暦の朱蝋燭/水谷芳子
木の芽和つつく還暦祝かな/井上雪
還暦を自祝の舞踏十六夜/宮武寒々
蘖や還暦といふ白きもの/中岡昌太
還暦の夫に大きな初日出づ/河本好恵
還暦の今も末つ子墓洗ふ/白石多重子
還暦の宴寒鯉の血を飲めと/茨木和生
還暦の春に酒なし冴えかへる/中勘助
還暦の母の初髪小さけれ/奥山さち子
俳句例:21句目~
冬帽子購はむ還暦一つ過ぎ/岩崎健一
還暦もにぎれば一つ年の豆/藤原守幸
還暦も昨日の続き胡瓜もみ/岡島禮子
還暦や山葵の花が床の間に/津川あい
洒水加持受け還暦の札納/山本とく江
煮凝や還暦といふ昭和の子/宮岡計次
秋深し還暦過ぎて老後の計/相馬遷子
還暦といふほろ苦き蕪蒸し/根岸善雄
八重ざくらなほ厚蕾還暦来ぬ/北野民夫
還暦に破魔矢の鈴の殊に鳴る/森田智子
還暦のこころ無にして四方拝/高橋克郎
還暦に好かれてしまふ杉花粉/浅見優子
還暦の近しや月夜葉が落つる/大野林火
茄子植ゑて還暦三日過ぎにけり/淵脇護
還暦といふ月白に似たる日々/湯浅康右
玉子酒すすり還暦来つつあり/岸風三樓
還暦やいまだ踏まざる裏日本/高柳重信
物摺る音して還暦の夏終る/加倉井秋を
水引草還暦までも生かされて/朝倉和江
還暦を過ぎし勤めや茄子汁/前川富士子
俳句例:41句目~
霾るや還暦に意のまだ副はず/荒井正隆
餅焼いてわが還暦の手を返す/秋山幸穂
髪切つて還暦の厄落しけり/築山八重子
とろろの泡さはに長姉は還暦か/栗生純夫
アネモネや還暦にはかにも来り/向笠和子
ラガーシャツ着て還暦の鰯雲/熊坂てつを
手のとどく還暦柚子の光り行く/近藤一鴻
還暦の海女の被れる真水かな/宇多喜代子
蕎麦がきや還暦の冬目の前に/百合山羽公
還暦もひそと過ぎたりえごの花/上代渓水
寒く剃り寒く呟やく「還暦か」/楠本憲吉
還暦やしろがねの雁さかしまに/塚本邦雄
かなかなをききゐていつか還暦に/加藤慶二
還暦と謂ふはにかみの屠蘇を酌む/前田忠男
山風に落葉頻りや永平寺/還暦前後/浅井意外
還暦の浜昼顔に吹かれけり/榎本好宏「三遠」
崖鼻に桟敷かけたり花の茶屋/還暦前後/浅井意外
薔薇に付け還暦の鼻うごめかす/西東三鬼「変身」