水を飲むに関連した俳句の例をまとめました。
水を飲むを含む俳句例
恋猫の乾ける舌や水を飲む/篠原
水を飲む猫胴長に花曇/石田波郷
初恋は色水を飲む役どころ/仁平勝
旅幾日負鶏のごと水を飲む/河野薫
広島にゐて八月の水を飲み/藤田弥生
若水を飲む百薬の長として/角田サチ
酒を呑む隣に水を飲む晩夏/高澤晶子
三伏の烏が水を飲む工夫/正木ゆう子
放ち鶏浮き人形の水を飲む/江口柳太
麦秋のまなうら痛し水を飲む/金子潮
冬支度一日水を飲まぬ日よ/鈴木鷹夫
冬近き連山屋上の水を飲む/桜井博道
命あり家あり寒の水を飲む/坂田栄三
夜学生顔昏くして水を飲む/岩崎健一
水を飲むときも真顔の羽抜鶏/長田等
水を飲み汽車の食卓黄水仙/中西舗土
雨の日も水を飲みけり孕み鹿/小島健
貧乏や蒼茫といふ水を飲む/田中亜美
烏きて水を飲みをる御祓かな/西山泊雲
終戦日夕焼くさき水を飲めり/福永耕二
俳句例:21句目~
花屑の水を飲みほす牧の馬/天本宏太郎
水を飲み透明体の死を移す/林田紀音夫
雨乞のあと水筒の水を飲む/天岡宇津彦
冬の鹿一縷の水を飲みゐたり/澤木欣一
雲の峯駱駝に水を飲ませけり/正岡子規
鯉のぼり水を飲みこむ俄か雨/村上辰良
屠場の牛秋の雲浮く水を飲む/木田千女
仔牛の目涼しく水を飲みをはる/大串章
寒水を飲みはなちたる柄杓かな/飯田蛇笏
百日紅ごくごく水を飲むばかり/石田波郷
老移民波止場の寒の水を飲む/伊丹三樹彦
意を曲げぬらし耕牛の水を飲む/茨木和生
水を飲むやうに蜜柑を食べる鳥/木原苑生
形而上の象はときどき水を飲む/大西泰世
課長熱くてサボテンの水を飲む/松本勇二
岳のもと虎杖を食ひ水を飲み/青柳志解樹
香水の毒にあたりし水を飲む/小島千架子
耳朶熱く雪解に覚めて水を飲む/中尾白雨
かはせみに襤褸の漢水を飲む/竹下しづの女
わかれきて硬きつめたき水を飲む/藤木清子
俳句例:41句目~
火事明り寡婦ごくごくと水を飲む/寺山修司
水を飲むひとつの意思を通さんと/大西泰世
身をせめて寒夜は水を飲みつくす/岩田昌寿
水を飲む大鴉たつドグイの芽/長谷川かな女
山晴るる猟夫ごくごく水を飲む/下村志津子
水を飲む闘鶏の眼のやさしかり/清水うめを
水を飲む馬は耳より夕焼けて/ながさく清江
鴉水を飲む蓮掘りの後りへかな/楠目橙黄子
ごんごんと芒種の水を飲み干せり/夏井いつき
二兎を追ふほかなし酷寒の水を飲み/有馬朗人
賀状完配井戸から生きた水を飲む/磯貝碧蹄館
放馬水を飲み凹ませついなびかり/千代田葛彦
寝足りては蚊帳くゞり出て水を飲む/廣江八重櫻
死者の匂いのくらがり水を飲みに立つ/林田紀音夫
わが身また一つの暦二十世紀の末期の水を飲みて老いゆく/新井貞子