杵に関連した俳句の例をまとめました。
杵を含む俳句例
荒垣の瓊々杵尊藪柑子/松澤昭
兎杵月物語残すべし/石川桂郎
餅搗や明星光る杵の先/夏目漱石
筒粥や仇のごとく火切杵/小口理市
餅の杵洗へば山に雪降りぬ/大串章
陶土打つ杵の谺や谷紅葉/渡部勝雄
若餅や杵借りて来て洗臼/井上井月
累代の杵の重さや小正月/林友次郎
餅に艶千本杵の息合ひて/小宅光子
餅の杵海潮の紺流れつぐ/友岡子郷
標の内に杵の音こそ聞こゆなれ/成助
嫁ぐ子に市杵の姫へ初詣/山本行々子
盆米や魂まつ軒に杵のおと/浜田酒堂
蓬餅土間を無くせし臼と杵/矢部甲子
ぼろ市の踏切渡る臼と杵/山本とく江
搗初の水車の杵のみな動く/高木晴子
杵柄に覚え草笛子に負けず/河野友人
杵臼や霧の裏戸をひらく風/桂樟蹊子
もちつきや犬の見上ぐる杵の先/許六
土間涼し臼底にある杵の痕/沢木欣一
俳句例:21句目～
かる～と上る目出度し餅の杵/高浜虚子
のつてきたりし寒餅の杵調子/綾部仁喜
師も一杵刈上げ餅の腰つよし/菅沼義忠
黄鶲に水車は杵をあげにけり/坂本孝子
ぼろ市や臼と別れて杵売らる/宮下翠舟
東より日は歩み来ぬ臼と杵/磯貝碧蹄館
水車場の杵土下せり秋の声/阿波野青畝
蓮如忌や土間の真中に臼と杵/前田清子
垣根ごし餅つく杵の高く見え/高木晴子
豊作やくさぐさ並ぶ臼と杵/水原秋櫻子
山茶花や日南のものに杵埃り/飯田蛇笏
沖から吹く烈風餅の杵外れず/友岡子郷
洗い杵かけつらねある年用意/高梨花人
杵音のすぐに止みたる小正月/奥山昌美
空曇り大麦を搗く杵ほてる/廣江八重櫻
餅搗きし杵より糸の如き湯気/荒木思水
餅搗のまだはじまらぬ臼と杵/石田勝彦
ぼろ市のシート押さえし臼と杵/足立洋子
ぼろ市の時雨れて売れし臼と杵/甲賀山村
味噌搗の刀自も一杵下されし/藤岡うた代
俳句例:41句目～
味噌搗の杵をかはろと手出す妻/樽本利雄
横杵竪杵にぎり艶より冬に入る/吉田紫乃
晒布搗く杵のしづくやうら若葉/内田百間
杵一吐こねどり白陀草餅搗く/八木林之介
聞きとるや餅搗き上がる杵の音/小杉余子
杵かつぐ修那羅石仏ほととぎす/西本一都
搗杵に血を見る餅のつよさかな/上島鬼貫
臼取りの目に鼻にとぶ杵の飯/石本めぐみ
雲衲になじまぬ杵や味噌を搗く/森永杉洞
臼も杵も押せや今年の九州場所/鮫島康子
寒空に杵売るを見む買はねども/相生垣瓜人
杵にまづ湯気のからまり餅を搗く/戸恒東人
振り上ぐる杵より飛びし餅の切れ/石田勝彦
餅を搗く教授の杵がひるがえる/八木三日女
過疎村に杵の音する亥の子かな/小林よしこ
児ら合唱干され湯気立つ臼と杵/鍵和田ゆう子
