臍の緒に関連した俳句の例をまとめました。
臍の緒を含む俳句例
旧里や臍の緒に泣く年の暮/芭蕉
臍の緒の絆濡れ色風光る/林節子
牛の仔の臍の緒赤く秋暑し/森孝子
臍の緒の桐箱なゝつ七光/攝津幸彦
臍の緒のあと鹹し冬の月/柚木紀子
抽斗の奥に臍の緒魂祭/村田緑星子
ふるさとや臍の緒に泣く年の暮/芭蕉
古さとや臍の緒に泣としのくれ/芭蕉
娶る子に渡す臍の緒四月尽/池田博子
臍の緒を子等に配りて九月尽/花貫蓼
臍の緒の箱におぼえや土用干/伊藤敬子
桐箱に臍の緒おぼろ月夜かな/佐々木咲
ふと思ふ臍の緒のこと大初日/峰尾保治
六月の臍の緒母はどこへやた/萩原麦草
臍の緒の干からびし家雪積る/米山源雄
母亡くて臍の緒も佚し柿の花/安松正義
寒星の下に臍の緒きれて泣く/鈴木渥志
臍の緒の箱をゆるがす春雷ぞ/松山足羽
臍の緒はむかしのいのち鏡餅/鈴木太郎
へその緒は母の箪笥に桐の花/坂本杏子
俳句例:21句目~
臍の緒を持ちてこの世の螢宿/齋藤愼爾
臍の緒を母屋にしまひ兎狩る/大石雄鬼
つゞらから臍の緒出たる日永哉/正岡子規
ひきだしの臍の緒を呼ぶ秋の道/坪内稔典
臍の緒をつけて糶らるる露の牛/坂本孝子
子羊の臍の緒ゆらし駈ける夏/大木あまり
梅真白臍の緒を切るはさみかな/辻美奈子
臍の緒を家のどこかに春惜しむ/矢島渚男
早春が好きで臍の緒まで濡れる/村上清香
うぶすなに残る臍の緒藪枯らし/山内遊糸
臍の緒を切ってはじまる夏百日/野崎妙子
闇汁に臍の緒まじりゐたりける/辻田克巳
雁わたし臍の緒たとへなきいろに/中田剛
臍の緒を箪笥に守り曼珠沙華/佐々木六戈
太き柄を臍の緒大き枇杷の実よ/百合山羽公
臍の緒をこなごなにして夏ひばり/飯島晴子
まんさくや前生の暗ン臍の緒に/小檜山繁子
臍の緒になじみし紙のつゆけくて/長谷川双
押し花を展けば臍の緒でありし/岩下四十雀
露の辺に生まれ臍の緒さずかりし/斎藤愼爾
俳句例:41句目~
臍の緒のごとき句を溜め年逝かす/高澤良一
長き夜の腐木の上の臍の緒よ/冬の土宮林菫哉