病棟に関連した俳句の例をまとめました。
病棟を含む俳句例
蛍籠小児病棟消灯す/中沢三省
病棟に願ひの多き星祭/柳瀬重子
これよりは小児病棟雪兎/天谷敦
病棟の早き消灯遠蛙/根尾美代子
暗きより小児病棟泣初す/藤田宏
病棟の深夜冷房音どすん/高澤良一
再手術霙れは雪に癌病棟/飯野蓮歩
病棟の十時は深夜梟鳴く/磯村翠風
病棟の六階にゐて望の月/安藤芳子
小鳥来る小児病棟無菌室/須佐薫子
早々と小児病棟聖夜の灯/松岡巨籟
春昼の第一病棟兵舎めく/大沢玲子
病棟に遠き国より聖夜くる/阪本晋
病棟の廊下吹き抜け花吹雪/草間時彦
病棟に病連衆ありてまり花/石田波郷
卒業の日の病棟に在る患者/山口誓子
病棟に聖樹小さき灯を点す/稲垣一雄
病棟の凍る灯りに妻の伏す/川口利夫
寝静まる病棟照らす寒の月/杉丸君子
病棟に聲の太さよ西瓜売/石田あき子
俳句例:21句目~
病棟の一人が死する桜の夜/品川鈴子
病棟の灯に遠ざかる冬の道/松村蒼石
病棟は暗き窓もつ濃紫陽花/山田弘子
雪ふけし病棟ひそと遺体出づ/今村青
病棟をさくら前線抜けにけり/羽成翔
病棟一つ青空を鵙打診して/友岡子郷
癌病棟冬一色に暮れ終へぬ/菖蒲あや
除夜の鐘小児病棟異常なし/水原春郎
病棟のベッドは雲か梅雨に入る/皆吉司
病棟の灯が突き放す冬樹の幹/右城暮石
いきものをひそめ月下の癌病棟/三谷昭
いやといふほどの冬晴癌病棟/坂巻純子
やや寒の病棟に炊く冬瓜汁/小島千架子
圃の薔薇病棟白昼を邃めたり/中尾白雨
患者一人の傅染病棟野分せり/相馬遷子
月明の病棟もるるオルゴール/松尾隆信
癌病棟夜は凍星にのぞかるゝ/岸風三樓
白鳥病棟美貌の家鴨付添へる/鈴木栄子
病棟へ岡持ち駛すよ銀茅花/平井さち子
病棟に日の入るころの稲雀/百合山羽公
俳句例:41句目~
降る雪より積む雪白し避病棟/川村紫陽
病棟のひとの濃淡ゆすらうめ/片岡秀樹
雛の日の小児病棟覗きにゆく/細川加賀
病棟に仕掛けられたる濃紫陽花/五島高資
また夜が来て花冷えの癌病棟/竹鼻瑠璃男
梅雨満月夫が病棟の肩に出づ/石田あき子
小児病棟前にほつそり雪だるま/須磨佳雪
蝌蚪育つ癌病棟と知らぬ子ら/植木/緑愁
階下よりしやぼん玉揚ぐ小児病棟/長田等
窓に並べて万年青も涼し旧病棟/石川桂郎
おくのおくまで痛がる月の病棟よ/大井恒行
石楠花の白さ消えたる夜の病棟/秋山石声子
病棟の路地に梅雨星住みつけり/殿村莵絲子
病棟の夜の影冷ゆるエレベーター/津田登志
寒き病棟どこかでさやうならの声/上野さち子
夜の病棟ただよっている林檎の香/竪阿彌放心