ナイフに関連した俳句の例をまとめました。
ナイフを含む俳句例
冷じく絵具削りしナイフ痕/林翔
厨房のナイフ曇らす山の霧/桂信子
かばんよりナイフ一片旅の夏/皆吉司
松過ぎの机上に光る紙ナイフ/淵脇護
夜の秋白檀の香の紙ナイフ/毛塚静枝
羊の頭ありナイフあり夜の秋/下田稔
高飛込少女ナイフのごと没す/平田羨
銀の柄のナイフが欲しき虫の闇/皆吉司
紙ナイフの反り美しき横光忌/伊藤京子
聖餐の誰から先にナイフ汚す/津田清子
郭公や牧の朝餉の木のナイフ/平野無石
麦の風少年ナイフを愛すなり/寺田京子
黄落やドイツ製ナイフの重き/小川軽舟
泥鰌裂く父のナイフに陽の躍る/岩間民子
水中にナイフとフォーク蝉時雨/折井紀衣
水に沈めたナイフ癒着の傷うずく/穴井太
柿むけば少年の日のナイフの手/大場三楽
ナイフより赤消え林檎剥き終る/白幡千草
桃を剥く銀のナイフを曇らせて/岩垣子鹿
柿四角なればナイフを十文字/正木ゆう子
俳句例:21句目～
梨むけとナイフ十梃ほど出され/京極杞陽
新しきナイフとフォーク十一月/川崎展宏
晩夏光ナイフとなりて家を出づ/角川春樹
木枯しの空をナイフが翔んでゆく/黒川鉛
辛夷散り錆びたナイフが散乱す/藤岡筑邨
野遊びの少年ナイフ隠し持つ/永島十三湖
ヒロシマ暑しナイフのように河流れ/山口伸
子規ひとり柿の眼利や手にナイフ/正岡子規
つばくらめナイフに海の蒼さあり/奧坂まや
カステラに沈むナイフや復活祭/片山由美子
新樹の幹傷つけナイフ切れためす/宮坂静生
ナイフなほ聖菓の中に動きをり/山口波津女
銀漢やナイフとフオーク触るる音/長谷英夫
青林檎切りしナイフのくもりそむ/友岡子郷
歩くのみの冬蝿ナイフあれば舐め/西東三鬼
父から子へ夏の怒濤を裂くナイフ/対馬康子
白桃を登山ナイフで削ぎて食ぶ/栗田やすし
黴の香の中にいきいきナイフとぐ/加藤楸邨
ポケツトにナイフある草たけた中/栗林一石路
桃切つてナイフをたたむ濡れしまま/近藤一鴻
俳句例:41句目～
桃喰ベしあとのナイフをきらめかす/寺田京子
岩に置くナイフに夏の過ぎゆくも/正木ゆう子
一挺のナイフ林檎と置かれ光れり/栗林一石路
レッテルにナイフつまづくりんごむく/三上水静
かりがねやナイフとフォーク両の手に/岩淵喜代子
わが心のやうな林檎があるナイフのそば/海藤抱壺
林檎にナイフ突きたてた儘の冬夜の病人/大橋裸木
ゆふぎりにぬれたる梨を剥くナイフ/久保田万太郎
ちる木槿ナイフ/フォークに軽いむらさき/渋谷道
ナイフ/フオークやけに光らせ万愚節/鍵和田ゆう子
何者にも非るものとならむためあなあざとナイフ/フォークをならふ/高橋睦郎
