吃るに関連した俳句の例をまとめました。
吃るを含む俳句例
月代に吃と向ふや鹿の胸/木導
秋風や心激して口吃る/高浜虚子
立つ鴫を言吃りして見送りぬ/青畝
雪どけ鶫呼ぶさヘ口吃る/萩原麦草
吃々と蝉の前奏推敲成る/香西照雄
威銃二発目にまた吃驚す/松井千枝
稲妻に刺され話の吃りたる/臼田亞浪
突堤の喇叭が吃る梅雨晴間/石井保定
羽抜鶏吃々として高音かな/高浜虚子
青葉木莵児も吃逆をくりかへす/林翔
静電気冬の謄写の吃りがち/宮坂静生
吃々と鵙鳴き悼む文できず/石川桂郎
飽食や吃り鳴きして夜の蝉/行方克巳
塩強く半島飢える吃りつつ/金子兜太
大年の吃驚水を構へたる/正木ゆう子
視察官来て吃る民秋晴るゝ/久米正雄
田の水の吃々と落つ霧の中/小芝潮子
小六月あかつめくさの吃々と/宮坂静生
秋出水引きゆく中を吃りをり/萩原麦草
吃逆のやうに冷酒注ぐなかれ/高澤良一
俳句例:21句目~
優曇華に妻吃々といふらくは/森川暁水
元旦に吃驚仰天ラッキー賞/保坂ひろこ
亀鳴きて貴君は酒に吃りけり/内田百間
吃立の槇真顔なる立春以後/河野多希女
有線の声の吃りて火事を告ぐ/西浦一滴
水餅を覗き亡き人吃りけり/吉本伊智朗
風鈴の風つよければ吃りけり/岸風三楼
麦笛の吃々として鳴りそむる/新津香芽代
白けた顔の青年吃る雨氷かな/田川飛旅子
炎天下吃りし君のなまめきぬ/和田耕三郎
吃々と牡丹の枯枝日あたれる/長谷川素逝
吃る子の答へ待ちをり日脚伸ぶ/橋爪雄二
吃る少年今日の夕陽を封じたまま/石田遼
吃逆して波郷忌の酒こぼしけり/大石悦子
春寒く吃り打つ脈診られをり/石田あき子
暑き身に戻る吃りや山下りて/廣江八重櫻
競馬果てぬ苺をひさぐ聲吃せり/横山白虹
蝉の穴ときどき神も吃るらむ/河原枇杷男
噴水いま千夜一夜を吃りつつ/八木三日女
沢瀉のこのあたりなら吃るなし/岡井省二
俳句例:41句目~
彼岸西風ときどき葭も吃りつつ/河原枇杷男
市の坂に春の夕日を見て吃りし/鈴木六林男
冬の灯や激して吃る妻なりし/長谷川零余子
汗拭いて吃つてばかりゐる日かな/細川加賀
玉呑んで吃り癒えけり春の風/安斎櫻カイ子
キリストといふ語を吃り祈る秋/田川飛旅子
このわたを食べているなり吃るなり/永末恵子
はまなす咲き吃りつづけるオホーツク/穴井太
宇宙さまよう死ありコンピューター吃る/隈治人
吃逆のひくッとおたまじやくしかな/佐々木六戈
こほろぎつつましく鳴き一碧楼吃る/冬の土宮林菫哉
「黄金バット」が吃るよ冬日が眼にしむよ/磯貝碧蹄館