髪膚に関連した俳句の例をまとめました。
髪膚を含む俳句例
蛙聞く微熱の髪膚夜気に触れ/茅舎
ぢかに触る髪膚儚し天の川/三橋敏雄
焼けながら身体髪膚こそ砦/呉/艸一
深々と初湯の髪膚毀傷なき/水原春郎
初夢に髪膚の湯の香つづかしむ/正江
水音の髪膚に響く川床涼み/西村和子
母の日や身体髪膚傷だらけ/村上妙子
寒星の光髪膚にほとばしる/内藤吐天
少年の髪膚のゆくへ蝉の穴/齋藤愼爾
夏近し髪膚の寝汗拭ひ得ず/石橋秀野
曼珠沙華身体髪膚仮のもの/佐藤鬼房
黄葉どき髪膚完爾と硫黄泉/高澤良一
置水は減りつつ秋の髪膚かな/池田澄子
むし暑き日の太宰忌の髪膚かな/岸田稚
八月を撫でて身体髪膚かな/中尾寿美子
柿の朱ケ身に沁む髪膚衰ふに/佐野美智
深吉野や髪膚にうけて花一片/角川照子
夏ちかし髪膚の寝汗拭ひ得ず/石橋秀野
干すとなく乾く髪膚を紅葉山/池田澄子
夏蝶に髪膚ゆだね薊煎る/竹下しづの女
俳句例:21句目~
女の髪膚怖ろし滝に艶うせて/原コウ子
職危し髪膚しづかに黴てけり/小林康治
身体髪膚うすく戻りぬ草の花/松山足羽
露草の紺に覚めたる髪膚かな/永方裕子
青海に濡れ来し髪膚籐寝椅子/中島斌男
虚子拝む髪膚硬ばる丁字の香/殿村莵絲子
潮じめりして晩涼の髪膚かな/深見けん二
炉火を吹く身体髪膚うち倒し/野見山朱鳥
疲れたる髪膚に寒波来りけり/徳永山冬子
冷汁によみがへりたる髪膚かな/清原枴童
一夜病み髪膚たちまち黴にけり/小林康治
初湯出ておのれ身体髪膚照る/佐々木有風
夏没日濡れし髪膚のよるべなく/内藤吐天
酒が励ます髪膚静かに緑見る/田川飛旅子
新米や愛しむ髪膚父母在らず/河野多希女
春の闇髪膚あらあらしく洗う/宇多喜代子
颱風に髪膚曝して母退勤来/竹下しづの女
鰭酒の髪膚のほてりさめざるよ/篠田重好
ダイヤモンドダストの中の髪膚かな/渡辺昭
虫の音のひりゝと触れし髪膚かな/川端茅舎
俳句例:41句目~
螢火にまみれし髪膚しめりをり/北見さとる
実梅落ちいちにちさむき髪膚かな/古沢太穂
寒の水ありありと身体髪膚かな/山田みづえ
二人静をんなの髪膚ゆるみくる/河野多希女
たちまちに梅雨走り来し髪膚かな/草間時彦
暖房車に髪膚饐えつゝ旅果てず/竹下しづの女
身体髪膚これを借り受け火事たりき/加藤郁乎
冷まじきものが髪膚に著きそめし/相生垣瓜人
わが子寝て日焼の髪膚夜もほてる/秋元不死男
不死男忌の雷火まみれの髪膚なり/越高飛騨男
身体髪膚傷つけ年くる壮年といへどみづからの影ひきて坐す/高嶋健一