詫ぶに関連した俳句の例をまとめました。
詫ぶを含む俳句例
方便の嘘も詫びねば宵閻魔/橋本博
春寒や心に詫びて塚の前/永田青嵐
雪間草妻の死を詫ぶ母の文/久保龍
詫び状は達筆なりし白絣/赤尾恵以
父親に詫びる花嫁リラの雨/長田民子
一言もなく詫びてとく懐手/下村梅子
灌仏会冷たい甘茶詫びながら/瀧春一
朝顔の苗提げ犬と詫びに行く/今井聖
大寒へ父の詫び状きらきらす/石寒太
如月の詫び状にして壺のこと/石嶌岳
幼子に叱られ詫びて冬ぬくし/岡本眸
薺粥胃の腑に詫びる荒使ひ/山下美典
水仙剪る錆びし鋏を花に詫び/桂信子
水害を天も詫びしか月今宵/加藤燕雨
鉄線花母は長寿を子等に詫ぶ/宮脇白夜
炉煙を詫びつゝ客を案内かな/高橋春灯
詫び事をかるく許して炉の主/二瓶鳳杖
誰彼に詫ぶる意強し蟇鳴く夕/金丸鐵蕉
夜の客に褞袍姿を詫びて会ふ/井上木子
踊り子は掌の冷たさを詫びて云ふ/三鬼
俳句例:21句目~
雪なきを師に詫ぶも山風花す/白井米子
風邪声を詫びて始まる保健学/風間和雄
馬陸禍に遅ると駅の詫び掲示/島崎五穂
文豪の詫び状といふもの涼し/山田弘子
わざとらしからず欠勤詫びの咳/勝亦年男
先づ無沙汰詫びて先祖の墓洗ふ/酒向敏子
師の墓に無沙汰を詫びる太閤忌/岩井三青
底冷や詫びて仏間を丸く掃く/青木久美子
胼の手を病人に詫び足さする/鈴木早通甲
花八つ手長生き詫びる遺言状/しまはへい
柔らかに出来しと詫びて豆の飯/高野素十
父母に書けぬ詫び状そばの花/市野沢弘子
庇借りて雨を詫びらる花遅し/中戸川朝人
春袷着ずに逝きにし夫に詫ぶ/詫摩まつ子
風邪声を詫びて御慶の電話かな/角川照子
義士まつり遅参を詫びる男ゐて/石村与志
夏負けと言ひ癒えぬ身を夫に詫ぶ/島村久枝
弱きが強きを恕すがお詫び受難節/香西照雄
汗の子のつひに詫びざりし眉太く/加藤楸邨
転校を子に詫びているねじあやめ/盛生高子
俳句例:41句目~
連れられて詫び云ひ歩く月夜かな/内城道興
長生きをしきりに詫びて胡麻叩く/小原啄葉
けんちん汁二日の留守の詫びごころ/影島智子
付いて来る子のなき帰省母に詫ぶ/中山フジ江
詫びたきほどの地の明るさ林檎割る/柚木紀子
遅れ着しことを詫びつゝコート脱ぐ/平野竹圃
柔かに出来しと詫びて豆の飯/高野素十「雪片」
病んであんたの白き太もも詫びている/大井恒行
繍線菊やあの世へ詫びにゆくつもり/古館曹人「繍線菊」
糸瓜忌や友どちに詫ぶ鶏ぐさみ/海雲/原本神櫻、臼田亜浪刪存