予感に関連した俳句の例をまとめました。
予感を含む俳句例
岳樺大黄落の予感あり/松井光子
美しき蝶の予感の毛虫かな/辻青歩
予感から直感更に冬銀河/石川俊子
予感とは意外に確か烏瓜/高橋和子
炎天や地核に謀叛ある予感/清水緑子
枯芝を軽く歩いて死の予感/加藤知路
夕立の匂ひに恋の予感して/脇本聡美
月見草夕べ誰かの来る予感/栗本秀子
初蝶に出遇ふ予感の旅二日/宮坂静生
テロの予感甕累々と雪を被く/齋藤玄
七月や予感はいまも草の中/大坪重治
霜の予感風船しぼみ泣顔に/大井雅人
地に冬の兆す予感に友の情/飯田蛇笏
逢えば又別れの予感秋時雨/岩田文子
いい事のありそな予感福寿草/澤口幸子
黄水仙揺れる迅さに病む予感/尾田明子
明日雨の予感手に乗る夜の蝿/川津光子
春満月地球いびつになる予感/小林照代
朝焼けや水急なれば死の予感/岩間愛子
大雪の予感有事の予感あり/高松美智子
俳句例:21句目~
熱出づる予感にをりぬ遠山火/森藤千鶴
予感とは楽しき不安春を待つ/高石幸平
冬隣るけものの予感疎林行く/熊本良悟
坊守の予感に夜の秋の死者/赤松ケイ子
くちびるの雪の予感にひきしまる/角光雄
けふと踏む予感当りて薔薇崩る/高澤良一
予感する山のあなたの冷蔵庫/小泉飛鳥雄
合歓仰ぎゐて清流に会ふ予感/神尾久美子
冷害予感水は過敏な眼に満ち/永田耕一郎
枯葎こむらがへりの予感せり/亀田虎童子
湯ざめして何か離れていく予感/片桐基城
春寒し悪しき予感の狂ひもせず/相馬遷子
立ちどまる何処にも桜咲く予感/鎌倉佐弓
立春の子を授かりし予感かな/藤原比呂子
鰯雲予感おほむねあざむかず/軽部烏頭子
被さつてくる子の予感端居かな/毛塚静枝
なにもかも良くなる予感新日記/矢口由起枝
冬帽眼深にゆすり直して予感消す/川口重美
光のなかに腕組むは美童くる予感/金子兜太
予感みなつぎつぎひらく罌粟の花/小河信國
俳句例:41句目~
花のもつ予感が小さきつむじ風/桑原たかを
ふらここや地球泡立ちゆく予感/中野真智子
予感のごと砲車と銀器並べてあり/阿部完市
予感とは桃の産毛のそよぐとき/赤田まどか
たしかなる予感柔らかき初日の出/殿村菟絲子
子の部屋に恋の予感のシクラメン/氏家さち子
誰か射つ予感に白いハンカチたまる/中嶋秀子
闇はぬっと手が出る遺伝子の予感/吉田透思朗
枯木の予感どこかで大砲がなつてをる/富沢赤黄男
死にちかき予感おぼえてわれの亡き後のこと書く木がらしの夜を/吉井勇