波頭に関連した俳句の例をまとめました。
波頭を含む俳句例
沖に日矢十一月の波頭/星野椿
氷店の鏡に午後の波頭/桂信子
風にとぶ大赤潮の波頭/澤草蝶
秋潮の藍のかゝげる波頭/佐藤艸
待春のふくれ崩るゝ波頭/星野椿
砂の城攫ふ土用の波頭/佐藤信子
濁流の瀬波頭に秋時雨/福田蓼汀
襖絵の波頭畳へ鑑真忌/浦野芳南
波頭一人一人が佛頭に/斎藤冬海
大寒の湾に攻め入る波頭/山元金子
寒凪や同じ間を置き波頭/前山百年
巌門の白き波頭や初松籟/塩井志津
波頭どどと崩れて春惜しむ/星野椿
波頭よりも真白き初鴎/龍神悠紀子
八荒や鵜の見え隠る波頭/蟇目良雨
波頭鬱とかへりて春深む/百瀬美津
フレームの光の先の波頭/藤永誠一
秋の暮一睡に見し波頭/小檜山繁子
三月のまぶしくなりし波頭/亀井碧
人日の海を出たがる波頭/東野鷹志
俳句例:21句目～
焼く鰺の油燃えれば波頭/和知喜八
狼を連れて熊野の波頭/天津伎依子
菜の花の強き茎立つ波頭/大屋達治
蓬莱や夜目に立ちたる波頭/原雅子
一平面率ゐ進めて冬の波頭/香西照雄
吼え盛る高き波頭や鰤の海/船平晩秋
波頭月のサンバを乗せてくる/星野椿
波頭月の光を得つゝあり/加藤蛙水子
波頭水着の胸にとびつけり/守谷順子
海士が家や鶏頭赤く波頭ラ/野村喜舟
波頭ふれんばかりに春の雁/高畑浩平
春愁のみなわれに向く波頭/永方裕子
波頭とびとびくるよ年の神/邊見京子
目覚めたるけものに春の波頭/西村明
寒月にそそり立ち折れ波頭/星野立子
春日燦サンタモニカの波頭/中村初枝
夜釣火消す月きよらかな波頭/中拓夫
いかづちの乗る北斎の波頭/清家美保子
トンネル見え雪のみどりの波頭/中拓夫
ひかりつつ秋おとろへて波頭/長谷川双
俳句例:41句目～
冬の虹生めり波頭の一と崩れ/奈良文夫
初あらし野馬にも似たる波頭/能村研三
昭和果つ七日の波頭すべて鎖/熊谷愛子
泳ぎ出る子等に眩しき波頭/久米谷和子
波頭ラいさぎよかりし初渡船/中村若沙
涼風やいのち競へる波頭/鍵和田ゆう子
波頭冬の没日へしぶき上げ/深見けん二
夕凪に月も照り添ふ波頭かな/久米正雄
ぐんぐんと初日波頭を躍り出づ/伊東宏晃
さまざまな波頭のうへの蜻蛉かな/中田剛
とことわに逃げるかたちの波頭/齋藤康子
怒りの夜ひかり満ち来る波頭/鈴木六林男
あとからあとから月の出寒い波頭/鈴木六林男
鮫ばかり獲れつつ波頭しぶくなり/岡野風痕子
