シーツ/敷布に関連した俳句の例をまとめました。
シーツ/敷布を含む俳句例
寒茜シーツ一枚残りけり/仙田洋子
麦埃遠き飯場に燈の敷布/香西照雄
翻へり乾くシーツや巴里祭/下山宏子
弟のシーツはがすや韮の花/瀬間陽子
赤ん坊に敷布妙なる天の川/高澤良一
母の床のつめたき敷布青田村/中拓夫
花桐や敷布くはへて閨の狆/飯田蛇笏
初夏の白きシーツを泳ぎ切る/仁平勝
時鳥太湖孤泊の敷布の皺/伊丹三樹彦
寝正月せめて敷布の新しく/野村喜舟
梧桐の敷布にはえて暑気中り/飯田蛇笏
糊硬き敷布をふんで秋立つ夜/中山純子
雁をきく敷布の皺をのばしつつ/桂信子
青空に敷布干されて震災忌/田中芙紗子
木犀の香りへ敷布投げて干す/岩崎嘉子
久しぶりに純白シーツ冬のバラ/皆吉司
寝酒掲ぐシーツに琥珀色の影/櫂未知子
雲にはや真夏の光シーツ干す/長谷川櫂
時は無縁白き敷布の肌ざはり/飯田蛇笏
折れまがり葡萄色のシーツあり/九月隆世
俳句例:21句目~
新涼のシーツの上の赤子かな/佐々木リサ
新涼のシーツを湖のやうに敷く/木村ふく
綱張りてシーツ干したり夏木立/長谷川櫂
糊効きし八十八夜のシーツかな/館岡沙緻
青空をそめたシーツでの遊びかた/古田嘉
滑り込むシーツ寒さも底打って/高澤良一
白シーツ明日白鳥になるつもり/辻美奈子
鵙高音シーツの皺を叩き干す/大村千鶴子
けさ秋の敷布の白にめざめゐる/河合凱夫
なつまけの足爪かゝる敷布かな/飯田蛇笏
ががんぼを許してしまう白シーツ/姉崎蕗子
ばりばりとシーツを開く立夏かな/櫂未知子
初音せり庭いつぱいにシーツ干し/遠藤梧逸
夜の植田シーツの幅に人は寝て/北原志満子
手花火の煙くる部屋にシーツ敷く/高澤良一
春の蚊のとまりて敷布のべられし/中島月笠
端午の日なれば真白なシーツ干し/如月真菜
真つ白なシーツを敷けば冬の海/和田耕三郎
虫啼くやいざ寐ねん敷布新しき/大谷碧雲居
除夜の鐘赤ん坊にあたらしき敷布/中山純子
俳句例:41句目~
とんぼうの止まりしシーツよく乾く/椎橋清翠
シーツ替へその夜春星と「植樹祭」/桜井博道
鉄棒のように曲がる人間シーツの上/大石和子
梅雨晴れへ大きな敷布干しひろぐ/中野登美子
菊の象の腋毛アパートの暗いシーツ/大沼正明
いうれいの脱いでたたまぬシーツかな/山県總子
白い敷布にいぬべくとして坐るしばし/喜谷六花
星図の暗さのシーツに溶けるごと眠る/高野ムツオ
シーツみたいな海だな鳥たちは死んでしまった/四ッ谷龍