人(の)世に関連した俳句の例をまとめました。
人(の)世を含む俳句例
人の世は命つぶてや山桜/森澄雄
人の世へ覚めて朝の葱刻む/鷹女
雪の道足跡人の世は激し/上野泰
葛の花人の世憎み人を愛し/本井英
雪解川大きく曲る人の世へ/松本旭
母子草山々人の世を離れ/飯田龍太
人の世やのどかなる日の寺林/其角
人の世や山は山とて蛭が降る/一茶
桐一葉表か裏か人の世も/土谷ミサヲ
草原のこゝも人の世閑古鳥/河野扶美
春浅し人の世生きる塩加減/松田都青
盆唄の流れ人の世生死あり/小林康治
人の世は御縁疎遠や花の冷/藤本純子
人の世は跫音ばかり韮の花/中村苑子
人の世へ橋渡りくる蛍かな/三上程子
蝸牛や人の世いくること難し/岸風三楼
もり塩に人の世灯る多喜二の忌/佃藤尾
鳥帰る人の世は靴すり減らし/清水径子
雲海を鳥瞰人の世その下に/関口ふさの
人の世はかそけし暗し十二月/石原八束
俳句例:21句目~
人の世も斯く美しと虹の立つ/高浜虚子
人の世をしぐれてやれし旅の笠/中勘助
人の世を故郷とせむ楸邨忌/小檜山繁子
人の世を泳ぎそこねて麦こがし/淵脇護
人の世を烟りて退る銀河かな/仙田洋子
傷つけてならぬ人の世名残雪/松尾緑富
桐の花人の世よりも高く咲き/河野南畦
牡丹雪美し人の世はおそろし/森田愛子
蜀葵人の世を過ぎしごとく過ぐ/森澄雄
人の世と月下美人の夜を重ね/粟津松彩子
人の世を指す手は見えず甘茶仏/高橋悦男
坑外を人の世と言ひ銀河見る/戸沢寒子房
人の世をへだつ風除したりけり/富安風生
人の世をはずれて紅葉憂いおり/原田孝子
寒灯より紐下がりいる人の世や/寺井谷子
人の世をやさしと思ふ花菜漬/後藤比奈夫
人の世やけぶり立てをる十夜栗/石田勝彦
馬の瞳に人の世枯れてゆきにけり/大串章
雨安居の人の世へだつ白障子/塩谷はつ枝
人の世を河豚の眼玉のにらみけり/寺田寅彦
俳句例:41句目~
海鼠噛む人の世をやや遠ざけて/鷲谷七菜子
人の世を少しはずれる曼珠沙華/岸本マチ子
夜の蝉人の世どこかくひちがふ/成瀬櫻桃子
蟻の道つづき人の世飢えてけり/赤城さかえ
雪の日のはるかな想い人の世か/赤城さかえ
人の世は淋しからむと雪降らす/片山由美子
人の世がたまらなく好きおでん酒/西村無二坊
水草生ふそこならば人の世視えむ/河原枇杷男
人の世淋しや月一つまつたく高く/栗林一石路
のうぜんの落ちて人の世焦げくさき/今村妙子「未来図合同句集」