産声に関連した俳句の例をまとめました。
産声を含む俳句例
産声の框の我や蛞蝓/齋藤玄
貫入は陶の産声初桜/大岳水一路
産声や冬の育む海の色/渡辺紺天
産声と聞く暁の蝉の声/広渡詩乃
万緑や産声を待つ控室/浅見まき子
十二月八日産声二度起る/萩原麦草
産声や目鼻にからむ泪汗/杉山岳陽
産声や月明いよよ光増し/能村研三
産声や崖のきはまで月の草/秦夕美
雪嶺に産声あげて水芭蕉/渡辺和子
網膜に秋暁たぎり産声す/加藤知世子
躬自ら哭く産声ちるさくら/三橋敏雄
産声は朝鵙散らす男の子/加藤知世子
大湯気の中の産声突如とす/石川桂郎
産声や月下を汐さしのぼり/齋藤愼爾
産声は未来を告げり雪山河/丸山比呂
曉の虫すだく中なる産声か/青木重行
束の間の産声透る露の屋根/小林康治
産声や暁の浜木綿風を呼ぶ/黒川憲三
産声を弥生の海に展げけり/島崎悦子
俳句例:21句目~
産声を待ちいて窓に白木蓮/高橋秀之
産声匂う薄明の藻へ傾く家/坪内稔典
寒雷が産声がはり仮死の子よ/茨木和生
春の山太陽産声上げにけり/小川原嘘帥
森がすき春の産声聞きに来る/遠藤千代
浜に路地ありて産声二十日月/佐藤鬼房
無花果に隠れ産声なりや急/殿村莵絲子
産声と知りみん~の声もなし/杉山岳陽
産声や歓喜のはての露をどる/杉山岳陽
産声はアルゼンチンヘ届きけり/橋口等
産声は冬の雲雀をあげにけり/松山足羽
着ぶくれの満身打ちし産声よ/細川加賀
蝶来たり路地の奥より産声す/菖蒲あや
産声の大き五月の子でありぬ/伊藤重美
いかづちの産声沖にあがりけり/朝倉和江
ほおずきは優し産声待つ時に/平井久美子
産声の途方に暮れていたるなり/池田澄子
産声を上げて双子やさくらんぼ/水原春郎
産声や唇紅させる葉月稚児/長谷川かな女
産声を聞くメーデーを戻り来て/茨木和生
俳句例:41句目~
産声の打ちわたりたる植田かな/関戸靖子
股の間の産声芽木の闇へ伸び/八木三日女
産声の金銀ひびわれてはならず/鎌倉佐弓
産声のクリスマスプレゼントかな/小泉静
十二月の窓明けはなち産声きく/加藤知世子
産声のあふれんばかりぼたん雪/蒲田美枝子
産声のむかしへ蓮根掘りすすむ/吉本伊智朗
産声を泣き初めとして男の子なり/都筑智子
産声を男の子とききし三日かな/上田日差子
聞きすがるあめの産声木の葉髪/赤松ケイ子
青天に産声上ル雀かな/一茶/文化八年辛未