漁村に関連した俳句の例をまとめました。
漁村を含む俳句例
霜の月漁村は地に沈みけり/一音
枯蘆に蠣殻捨てし漁村かな/青嵐
桜鯛桜に遠き漁村かな/羅蘇山人
石段を登り漁村の寺涼し/高浜虚子
鮭漁の頃の賑はひ一漁村/鈴木貞二
野分して漁村寂たり大碇/幸田露伴
誘蛾燈漁村の虫は海より来/林直人
春曉の郵袋の一漁村分/猿橋統流子
初富士の抱擁したる小漁村/たかし
道ばたや漁村の娘蓬摘む/正岡子規
麦秋や農を兼ねたる一漁村/松藤夏山
潮満ちて漁村影あり夕紅葉/藤野古白
磯山の襞に葱植ゑ半漁村/古畑丁津緒
人さわぐ漁村の市や夕紅葉/正岡子規
簑の毛は晴れて漁村の霞哉/正岡子規
葭切や潮の早瀬に一漁村/水原秋櫻子
蚊柱や漁村尽くつぶれたり/正岡子規
夕榮や漁村の秋の靜かなり/正岡子規
夜半にして風鈴鳴りぬ貧漁村/斎藤玄
白やむさき漁村の注ぎ川/東洋城千句
俳句例:21句目～
江をわたる漁村の犬や芦の角/炭太祇
海よりも漁村明るし年の暮/加藤憲曠
海苔麁朶に遊ぶ漁村の燕哉/正岡子規
漁夫の来し北見も果の一漁村/伊藤凍
なまくさき漁村の月の踊かな/正岡子規
七月や漁村をありく貴女紳士/正岡子規
漁村から岬へのぼる梅見かな/野村喜舟
選挙ビラ漁村にあまり羽抜鶏/中本柑風
末枯れの漁村真澄の絵図の色/武藤鉦二
木槿咲いて船出來上る漁村哉/正岡子規
鬼打木淋しき漁村通りけり/松根東洋城
菜の花の漁村海も夜も同質に/桜井博道
バスが行く漁村岩蓴も少し干し/高浜虚子
休暇果つ島の漁村に灯のみえて/秋光泉児
漁村昼寝風に鳴るのは小判草/伊丹三樹彦
火やほしき漁村の雪に鳴く千鳥/正岡子規
粗朶垣に漁村の梅は咲きにけり/野村喜舟
柿熟るる漁村の朝の静もりに/小川濤美子
灯も見えず闇の漁村のむら千鳥/正岡子規
蓮如忌の松籟濃ゆき漁村あり/大峯あきら
俳句例:41句目～
薫風や橋の下より漁村見ゆ/菅原師竹句集
白帆ばかり見ゆや漁村の冬木立/正岡子規
枇杷熟れて漁村故なく貧しかり/青木重行
味噌玉親しげ湾曲漁村に燕の矢/竹鼻瑠璃男
比良八荒漁村の閼伽は湖に汲む/友永佳津朗
冴え返る日をなまぐさの漁村かな/小杉余子
墓原路とてもなく夕の漁村に下りる/尾崎放哉
秋晴るゝ山あらはなる漁村かな/長谷川零餘子
砂丘いくつ梅の漁村をいくつ越えし/猿橋統流子
漁村暗し沖なる鯖火街のごと/内海月漁「ホ誌雑詠選集」
