卒寿に関連した俳句の例をまとめました。
卒寿を含む俳句例
卒寿翁喜寿の媼と螢狩/茨木和生
初雪の便り卒寿の母の筆/杉本寛
春光や卒寿の歩み恙なく/富田潮児
稲の花卒寿の母の泪壷/柴崎左田男
卒寿にもいささかの夢更衣/保津操
万愚節卒寿の父の隠し事/北村俊幸
母上の在せば卒寿花の窓/今泉貞鳳
初写真卒寿の母は笑み給う/磯直道
前列に卒寿の二人初講義/中戸川朝人
卒寿いま万朶の桜仰ぐかな/柴田白陽
卒寿から年は数えず屠蘇の酔/蔵巨水
春の日や卒寿白寿と先長し/藤田湘子
梳初の卒寿の母の髪の艶/蓮見喜美江
盆の客少なくなりし婆卒寿/石川風女
裏白や卒寿の母のかぞへ唄/松本照子
鰯雲仰ぎ卒寿の闘志湧く/小原菁々子
小米花卒寿に一つ足らぬ母/中里カヨ
かくなれば早く卒寿を吾亦紅/長谷川双
初漁へ卒寿翁の櫓たしかなり/中村此水
初燕卒寿の母の目のさとき/塚本富士子
俳句例:21句目~
拝みたき卒寿のふぐり春の風/飯島晴子
噴井鳴る卒寿苦吟の母のかほ/黒田杏子
夏帯を締め卒寿とは思はれず/菅沢泰子
卒寿われ母に彼岸の燭ともす/山口青邨
年惜む卒寿の世紀惜むなり/浅井青陽子
矍鑠と卒寿より受く大福茶/山野辺恭子
菊の酒上げて卒寿を自祝せん/村上三良
我れ卒寿さて病葉に等しくも/富田潮児
赤々と朝日卒寿の神無月/阿部みどり女
鬼は外卒寿の声のつつがなし/村山敏行
卒寿の手雛を飾る夢ならず/阿部みどり女
卒寿まだジーパンが欲し清和月/富田潮児
手さぐりの卒寿さておき福寿草/前田鶴子
梨むくやコリコリコリと卒寿婆/山口有水
卒寿われ月を若しと仰ぎけり/粟津松彩子
土佐つぽの卒寿初ゆめすらなくて/及川貞
蒲団干す卒寿の力あまりけり/黒田櫻の園
いのち美し卒寿の母へ牡丹の芽/高岡すみ子
ばらを選る卒寿の母の抱けるだけ/浦野芳南
冬の日に釦をかがる卒寿かな/阿部みどり女
俳句例:41句目~
初湯殿卒寿のふぐり伸ばしけり/阿波野青畝
優曇華や卒寿で逝きし母の居間/桜川二千子
卒寿なる吾にも春宵おとづれる/粟津松彩子
大波璃に卒寿の羅うつしけり/阿部みどり女
海原の初日いただく卒寿すぎ/阿部みどり女
鬼灯を鳴らす卒寿の目にちから/田中春星子
葉つき蜜柑卒寿過ぎたる掌に/阿部みどり女
みちのくの二月恐るる卒寿あと/阿部みどり女
卒寿の手茅の輪にかけて潜らんと/大橋/宵火