山静かに関連した俳句の例をまとめました。
山静かを含む俳句例
太陽の静かな力山葡萄/金子秀子
愛欲に斑雪の山の遠静か/三谷昭
秋晴の山横たはり静かなり/上村占
鳥礫また飛び枯木山静か/加古宗也
山よりも静か母の死に顔/橋本夢道
鳥一声山静にして椿落つ/尾崎紅葉
山笑ふ静けさに人働けり/玉木春夫
鳥鳴いて山静かなり夏蕨/子規句集
厳冬の静寂父のような山/楠本義雄
戎壇院辺りは静かお山焼/橋本道子
静さやゆふ山まつの若みどり/闌更
山鴉鳴く静けさを機始/水原秋桜子
花の山蔵王権現静まりぬ/正岡子規
山しづか涸滝も亦静なる/西岡つい女
秋の山静かに雲の通りけり/夏目漱石
山静か廃墟に芥子の花二つ/今泉貞鳳
十月が来てしばらくは山静か/石井浩
数へ日の静かな山へ入りけり/小島健
朝寒や山と静けきわが心/東洋城千句
禁猟区静かに山の眠りおり/田辺たか
俳句例:21句目~
夏木立映して山湖静止せり/直原玉青
あけぼのや山静かなる鷽の琴/高田蝶衣
二人静/仏の山のふところの/西浦和子
何時来ても静寂の山芳次郎忌/甲斐羊子
全山の枯木となりし静かかな/高濱年尾
山の子が提げて静かな寒の鯉/稲垣晩童
汽車過ぎて山静かなり夏木立/正岡子規
白百合や蛇逃げて山静かなり/正岡子規
日を吸へる吾亦紅あり山静か/清原枴童
耳鳴りのするほど静か枯木山/鈴木みよ
蛇逃げて山静かなり百合の花/正岡子規
霧こむる四山や湖舟静かなり/西島麥南
楢山時雨藪鳥なほも静まらで/臼田亞浪
静かなる山の御堂の花まつり/高木晴子
山鳴に馴れし静けさ蟻地獄/隈元いさむ
山山の静止する日や赤ん坊/津沢マサ子
火の山の静かなる日の田植かな/青木重行
火を噴きしあと静かなり山の秋/橋本鶏二
朴の葉の落ちて重なる山静か/松本たかし
懸巣来て山は静寂保たれず/桔梗きちかう
俳句例:41句目~
静寂音あおいあおい揚羽や山や/金子皆子
静かさやをしの来てゐる山の池/正岡子規
くたびれし静かな面テ夏の山/阿部みどり女
咳止めば山のやうなる静寂かな/江崎紀和子
囮すでに掛けての樹々や山静か/松根東洋城
山は覚めて寝てゐる貨車を静かに看る/藤後左右
干草の山が静まるかくれんぼ/高浜虚子「虚子全集」
山ひだ日かげりの移るばかり湖も峰も静に/喜谷六花
草の尖きに蝶居て山の静かな日/合浦句集満潮/原田合浦